Last updated: Tue, 02/13/2007 0:45 GMT
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新年明けて,ロンドンパレードへ.これは元旦恒例の「世界最大」といわれるパレードで,ビックベンのあたりから,ピカデリーストリートまでの間で行われる.早めに金を払って予約すれば,席に座って見られる. パレード人数10,000人余り.パレードするのも,ロンドンの各地区の代表や,高校のマーチングバンド,ミス・○○や,ローバーミニ,バイク,写真のような昔の自転車,馬,ロバ,戦車,救急車まで,ひたすら行進. はじめは楽しんでいたが,ただ黙々と行進する人たちに飽きてきて,最後はただの苦行となる.元旦にロンドンに行ったら,ショッピングがてら少し見学,というのが正しい姿かも. しかし,ロンドン各地区の代表集団は,なぜかインド人ばかり.なんで? ロンドンパレード http://www.londonparade.co.uk/
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ロンドンでの年末カウントダウンイベントといえば,トラファルガー広場だ. 会社の同僚に「たいしたことないよ」といわれていたのだが,一回ぐらい行ってみよう,と出かけることにした.車でロンドンに向かうと,いつもは渋滞している高速 M25 も,M4 もがらがら.皆家でのんびりしているのかな,と思いながら行くと,ハイドパークの角から車は進入禁止になっている. 車を止めて歩いていくと.普段は車でいっぱいのピカデリーストリートも,パル・マルの通りも車が通行禁止になっていて,シャンパン片手に酔っ払った集団がトラファルガー広場に向けて歩いている.広場は荷物チェックが行われ,酒・花火は持ち込み禁止.広場の中は人でいっぱいだ.しかし,良く見ると,あまりイギリス人はいない. 広場には巨大なスクリーンが設置されているが,BBCを流すばかりで,特に広場は仕切られていない.しかも,まともな時計がないので,残り何分か良くわからない.広場にある時計は壊れて止まっている.みな単に「集まっている」だけなのだ. カウントダウン1分前になり,ロンドン・アイが映る.しかし,残り何秒かわからないので,だれもカウントダウンしないまま,新年を迎える.歓声が上がるでもなく,粛々と新年を迎えた.ロンドン・アイの周りでは,派手な花火が始まり,広場の人たちは,「あ,あけたの,そう」と一応抱き合い.終了.ちゃんとカウントダウンしようよ.みんな.
ロンドン・アイ http://www.londoneye.com/
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オーストラリア支社からの返事が来たとき,イギリスにいるオーストラリア製品開発チームは驚きを隠せなかった.返事の内容は,「アメリカ英語でいいです」と言う内容だったのだ. イギリスで製品を作るとき,当然イギリス英語で作る.簡単に言えば,メニューとか,マニュアルとかで使われる単語のつづりが違うのだ.センターのつづりがアメリカ英語では「Center」,イギリス英語では「Centre」であることは中学生でも知っていると思うが,「Favorite」「Favourite」,「Program」「Programme」など結構違う単語は多い.もちろん,言い回しも違うし,選ばれる単語も違う. オーストラリアはイギリス連邦,"コモンウェルス"の一員であるばかりか,国旗にユニオンジャックがあるように,イギリスの重要なパートナーなのだ.国家元首もエリザベス女王だ.そのオーストラリア支社から,「アメリカ英語で」という返事が来たので,びっくりしてしまったのだ. このことは,実はオーストラリアの実情を考えれば納得できる話ではある.オーストラリアでは,製品は限られているため,多くを輸入製品に頼っている.英語で作られた製品は,そのまま輸入されることが多い.つまり,アメリカからもともと多くの製品が入ってくるのだ.また,エリザベス女王を国家元首とするか否かを問うた 1999年11月の国民投票では否決されたが,現在は過半数が共和制移行に賛成しているという話もある.実情は,アメリカ英語が多くの場面ですでに使われており,消費者もそのことを特に気にしていない. 「イギリス式人生」黒岩 徹/岩波新書の中で,チャールズ皇太子が,英語は世界中で通用するし,イギリスにとってとても大きな強みだ,といっていたという話が出てくる.実際,英語はとても便利な言語だ.たとえば,ケニアでイスラエル人,フランス人,ドイツ人,オランダ人,ケニア人,そして日本人である私が一緒になった.皆すべて違う言語で普段暮らしている.しかし,英語を使えば,このすべての人が意思疎通をすることが可能なのだ.ほかの言語ではこれは通常ありえない.では,そこで使われる英語は,イギリス英語か?それともアメリカ英語か?ヨーロッパでは,イギリス英語はある程度の市民権を得ている.しかし,テレビ・映画・出版・インターネットなどと実際に使われてる場面を見回してみると,果たしてどちらが勝つかはとても興味深い. 会社で仕事をしているときは,意識的にアメリカ英語は避けるように努力しているが,同僚も多分結構大目に見てくれているだろう.もちろんイギリス英語の中にも方言があり,ウェールズなまり,スコットランドなまり,など聞けばすぐわかるというが,残念ながら私には良くわからない.それでも,最近 CNN でブッシュ大統領がしゃべっていると,どうも「みゃーみゃー」言っているように聞こえ,なんか名古屋弁を聞いている気がするのは私だけ?
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Tunami という単語はもともと英語で使われていた言葉だが,今日起こった地震での津波被害で,BBCはひたすら Tunami という言葉を連発している.これで大体すべてのイギリス人がこの単語を認識したことだと思う.地震のあまりない国々の人々にとって,地震と津波はあまり結びつかない概念だと思うが,今回の地震でそれも繰り返し説明された. クリスマスというシーズン,ビーチリゾートという場所,波に飲まれてたくさんの人が亡くなるという衝撃的なニュースは,イギリス人に乗っても他人事ではない.今年は 12/29,30,31 と3日休むと 10連休になる,ということから,たくさんの人が休日を楽しんでいた. ご冥福をお祈りいたします.
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クリスマスといえば,女王のスピーチが放送される.これは一年を振り返り,イラクの戦争などにも触れ,またクリスマスらしく,「寛容の精神必要」と報道されたように教訓じみた内容も含む.去年はいすに座って語りかける形式だったが,今年は立ち姿で放送され,かつ間にイラクの映像など挟みながら行われた.日本の天皇が新年一般参賀とともに発表される感想とは異なり,この女王のスピーチは政治的にとても高度な戦争に触れていることからも推測できるように,政治色の強い発言を含む. イギリスの政治に対しての女王の役割の大きさを感じさせる一こまでした.
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12月になると,仕事が落ち着かなくなる.みなクリスマスに向けて,仕事を収束させ,新しいことは始めたがらない.この時期に休みをとっても,とがめる人はいない.商業活動がもっとも活発になり,創造活動がもっともおろそかになる時期ではないかと思う. ロンドンの道は買い物客でいっぱいになり,しょっちゅう飲み会なり,パーティなりで行ったりきたりする.クリスマスは旅行シーズンというより,家で過ごすシーズンなので,旅行といっても親戚や知り合いを尋ねるという人が多い. 去年も食べたターキーを,今年も食べる. 12/24 自体は休日ではないので,会社から早めに帰って食べたら,結構おいしかった.最近自分の舌があまり信じられないので,今回のがおいしかったのか,自分がイギリスの味覚になってしまったのか? クリスマスプディングまでおいしかった.うーむ.
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家から近いフランス料理屋にいく.ロンドンの中心から離れた Hampton にあり,ハイストリートだが,たいして大きな町ではない.店はその一角にあり,普通の店構え.家にある 2002 のMichelin Red Guide ではひとつ星だが,Viamichelin で検索すると,星は出てこなかった. ランチに行った.GBP35 (6,800円)のコースを頼む.店の内装は普通.店員は親切.メインにラムを頼んだら,巨大な肉つきのラムの塊が出てきた. 味はそこそこ,フレンチというより,モダンブリティッシュと読んだほうがふさわしいメニューであった. Monsieur Max 133 High Street, Hampton Hill, London, TW12 1NJ Map Telephone: 020 8979 5546 ミシュラン http://www.viamichelin.com/
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大福好きである.たまに出張で日本に行くと,朝食代わりに食べてしまうぐらい好きである.赴任中の苦しみのひとつは,これが好きなときに食べられないこと.実際には,日本食材店に行けば,日本から冷凍して輸入されているものがGBP1(195円)ぐらいで売られている.もちろん日本のコンビニの手軽さでは行けないので,食べたくなっても次の土日までじっと我慢しなければならず,我慢しているうちに何を我慢していたのかも忘れてしまう. そんな状況の中で,日本食材店「三浦屋」で,「手作り大福セット」を発見.これなら,好きなときに自分で練って食べられるのだ.ぎゅうひの粉とあんこがセットになっているもので,ぎゅうひをこねてあんこにかぶせれば完成,というとても簡単なもの.「これだ!」と妻が買ってきてくれたのだ.さて,年の瀬も迫った夜に,せっせと台所でこねる.結果は写真のような有様.でも,味は一応大福でした.
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今年のツリー.
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赴任2年目を終えた.赴任1年目では,通常生活する上での常識的な感覚,たとえば店で水を一本買ったらいくらか,レストランではどう振舞うべきか,などをいちいち覚えるのに苦労したが,赴任2年目は違った.一言で言えば,「長い旅行の終わり」だ.イギリスで生活するうえでの基本的感覚は身についた.仕事の流れも理解した.見ること聞くこと新しい,という時期は終わりを告げ,生活の基盤としての自分の居場所を見つける1年となった. 旅行と思えばイギリスでの生活は楽しい.イギリスの食事はまずいといわれるが,良く日本の友人から「結構イギリスの食事もおいしいじゃん」と言われる.それは旅行だからだ.普段と違うものを体験し,好奇心をもって見ている間は,何でも楽しめるのだ.最近になってふと,「ここでやりたいことはやりつくしたんじゃないか」と言う感覚に襲われる.好奇心の敗退だ.単純に旅行の期間が終わり,日常に戻ったに過ぎないのだが,とたんに生活がつまらないものに感じられる. 逆に,イギリスでの生活も染み付いてきた.会社は夜8時には出るし,日本にいたころのように休日出勤などせず,土日は個人の時間として過ごす.会社でも,レストランでも,街で買い物をしていていても,まごつくことはないし,不便は感じない.日本人であることと,イギリスで生活することとのバランスがうまくとれて,自分の立ち振る舞いに対して客観的に観察する自分を用意できるようになった. しかし,不思議なのは,イギリスの生活がしみこんでくるにつれ,かえってなぜか自分の中に日本に対する愛国心を感じる.遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス/藤原 正彦 にも同じ様なことが書かれていた.自分のアイデンティティとして日本人を選択しているからだと思う.周りには,こちらに永住している家族や,イギリス人と結婚して,こちらに住んでいる人が何人かいる.そういう人たちは,自分のアイデンティティをどこに置いて生活しているのか? 赴任3年目のテーマは,「イギリスの日常」だ.気持ちを切り替えて,日常としてイギリスと接し,生活しようと思う.
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ロンドンのモロッコ料理レストラン「Momo」に行ってきました.日本の雑誌にまで載っているほど有名なレストラン.Sketch と並んで,内装が良いとされるレストラン. モロッコ料理といえば,三角屋根の陶器を使った煮込み料理「タジーン」.そしてクスクス.頼んだのはラムのタジーンで(写真),アプリコットが入っているので甘みがあるが,まぁまぁおいしかった.ロンドンのこの手のレストランは,だいたい「まぁまぁ」おいしく,そして自分の感覚の大体 2倍高い. おすすめか,といわれれば,「まぁまぁ」のレストランでした.
Momo http://momoresto.atempsite.com/
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ガイ・フォークス・ディは,本当は 11/5.スコットランドの王様のやり方に不満を持った一味が王様もろとも議会を爆破しようとして未遂に終わった事件が始まりという.この日は,わら人形を燃やしたり,花火を打ち上げる日だ. それにあわせて花火大会があちこちである.今年は,リーズ城の花火大会に行ってみた.入場料一人GBP12 (2,280円).リーズ城は,池の真ん中に城があるきれいなところなのだが,その池の周りに座り,城から打ちあがる花火を見るという趣向.入場券も予定の人数に達したら売るのをやめるので,日本の花火大会のようにもみくちゃになることはない. イギリスの花火はたいてい音楽付で,音にあわせて打ち上げていく.だから,「ひゅ〜〜〜〜...どーん」という味わいはなく,音楽の流れに沿って花火が変わる.音楽と花火とあわせた総合演出なのだ.
で,良かったかって?うーん. リーズ城 http://www.leeds-castle.com/
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オックスフォードはケンブリッジと並ぶ文教都市だ.オックスフォードはどちらかといえば文系,ケンブリッジはどちらかといえば理系. とても古い大学で,1167年創立.大学とはいっても,ひとつの大学ではなく,40のカレッジの集合体で,「オックスフォード大学」があるわけではない. 街には学生らしき人がパブで盛り上がり,映画館があり,そして歴史のある本屋がある.なかなか雰囲気のあるよさそうな街だ.
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思い出すだけでいらいらする,駐禁のチケット.ロンドンの駐禁の取り締まりは警察官ではなく,委託された会社の職員が街中をうろうろして取り締まる.彼らは, ●歩合制(?)であるとか, ● たくさんチケットを切ってポイントを貯めると旅行にいける(本当?) とか,本当のところは良くわからないのだが,とにかくたくさん取り締まろうとするインセンティブがあって,がんばって取り締まるのだ.BBCの朝のニュースでは,あまりに駐禁の取締りが厳しくて議論になっている,というテーマの特集をやっていた.「決まりに従って何が悪いの?」という取り締まり側と,「やり方がフェアでない!」と怒る住人の平行線の議論なのだが. このチケットは,16:15 までのパーキングメーターで,ちょうど16:18 に戻ったときに切られてしまった.彼らは切れそうな車を見つけると,その前でじっと待って,切れたらすかさず取り締まるのだ.確かに違反は違反なのだけど,なんか釈然としないと思いませんか? さて,チケットには WWW の URL が書いてあって,そこにアクセスすると,「いらっしゃ〜い」という感じの WWW があって,支払いができるのだ.GBP 50.免許証の減点はなし. 支払い http://www.westminster.gov.uk/
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妻が旅行先で知り合った方がいるというので,「人吉」というレストランに行ってみる.場所はハムステッド.中は,日本の居酒屋といった雰囲気で,結構予約でいっぱいだった.揚げ出し豆腐など普通に食べられる.特に焼き物がおいしかった.
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故ダイアナ妃はスペンサー家の出身で,本家はこのオルソープにある.ダイアナ妃の悲劇的な死を悼む人が訪れることから,弟のチャールズ・スペンサーが記念館を開く.入場料 GBP 11.25 と結構高いし,中ははっきりいってたいしたことはない. 記念館の中には,ダイアナ妃の昔の写真や,ロイヤル・ウェディングの時のウェディングドレスなどが飾られている. 外に出ると,楕円形の池のほとりに記念碑が建てられていて,花がささげられていた. 弟は本を書いてこの中で売っている.ちょうど店に行ったら,弟が本にサインをしているところだった.この扱いがダイアナ妃の望む形になっているかはわからないが,最近は入場者が減ってきたため,ここはもう少ししたら閉めることになっているという. Althorp http://www.althorp.com/home/index.asp
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モダンインディアンと呼ばれるジャンルは,インドカレーではなく,スパイスを使った料理をだす.つまり,何もかもカレー粉の味がするけど,カレーでないものがメニューになっている. ケンジントンにある.天井がとても高い建物の中に,最小限の内装,といったところ.しかし,ミシュランでひとつ星を取っているだけあって,ウェイターのサービスはしっかしりしているし,料理もこじゃれた皿に少しずつ盛られて出てくる. Grilled Monk Fish & Curry Leaf Risotto を頼んだ.カレー味のリゾットの上に魚が盛られて出てきた.魚はちょうど良い味加減で,リゾットは例によって少し煮過ぎの感があるが,まぁまぁおいしかった.前菜も大きく外れることはなかった. イギリスで食べてきたインドカレー料理屋は,確かにおいしい店,おいしくない店があるのだが,その差は 10 対 11 といったところで,大きく違いはなく,イギリスで外れにくいカレーばかり外食で食べて飽きてきたところにこの店に行き着く,という人がわりといるようだ.そう,イギリスのインドカレー屋はとても画一的で,インドでも,南と北,西と東ではカレーが違うのだが,イギリスで食べられるカレーは余り変化が見られない.なぜだろう? さて,このレストランのおすすめ度は,まぁまぁ. ぐるなび www.gnavi.co.jp/world/europe/london/8315048/ Zaika http://www.zaika-restaurant.co.uk/ ミシュラン http://www.viamichelin.com/
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一回やってみたかったのです.
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歯医者に行く.歯医者に限ったことではないが,イギリスで医者に行くときは予約制で,医者は自分のために,完全にその時間を空けておいてくれている.部屋も完全に分かれていて,プライバシーは保たれている.妻が病気になって,夫が付き添った場合,自然に一緒に診察室に招かれる.だから,妻が医者にかかっている間,夫も一緒に妻の治療に付き合うのだ.日本でもそれは可能だとは思うが,歯医者の中まで入っていくことは普通ないだろう.イギリスでは出産に夫が立ち会うのは当たり前だというから,どんな場でもパートナーは一緒にいるものなのだろうか.しかし,妻が歯医者にかかっている間診察室にいても,ただ単に見ているだけで何もできない.かといって手を握って励ますというのも,いくらなんでもやりすぎだ. イギリスは GP というかかりつけの医者制度があり,誰もがまず GP に登録し,病気になったときも,まず GP が診察し,その後専門医に引き継いでいく.驚いたのが,カルテが完全に電子化されており,聞いたら,別の病院で受けた検査の結果も参照できるといっていた.もちろんGPは登録された患者のデータしか参照できないのだろうが,医療情報という超個人情報が一元管理されているのは結構恐ろしい.
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ロンドン塔,88/12/09,文化遺産 今度はロンドン塔だ.夏目漱石の小説「ロンドン塔」として登場する.900年の歴史を持つ城砦のなかで行われた歴史を見て回る.基本的に牢獄として使われてきたため,計略や,王位継承の思惑で幽閉され,王妃などもたくさん殺されてきた.中でもヘンリー8世は2回も妻をここで殺させており,ひどいやつだ. ここには王冠のコレクションも見もののひとつ.世界最大 530カラットのダイヤモンド,「アフリカの星」がある.王冠のデザインも見る価値がある. ロンドン塔 http://www.hrp.org.uk/webcode/tower_home.asp
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友人が日本からやってきたので,ロンドンを案内する.赴任者なら,大体親なり友達なりはたまた出張者なりが日本からやってきて,一緒に観光して回る機会が何度もある.来るほうもイギリスは初めてであることが多く,行きたいところも大体同じ.だから,回るときは,多少新しく行くところを入れてもらいつつ,同じところを回ることも多い.ロンドンではないが,ストーンヘンジなど,10回ぐらい行っているような気がする.私は結構あそこの雰囲気が好きなので,何度行ってもいいのだが.たくさんの旅行者を受け入れてきて,こちらも大分慣れてきた. 「ロンドンに飽きることがあるとすれば、それは人生に飽きたときである」"If a man is bored with London, then he is bored with life"(サミュエル・ジョンソン)とは良く言ったもので,いわゆるおのぼりさんコースを巡るだけでも結構楽しい.この日は,午前中は夏だけ公開されているバッキンガム宮殿のステート・ルームの中を見て周り,午後は土曜だけやっているポート・ベローのアンティークマーケットに.このマーケットは,ノッティングヒルのあたりの道沿いに延々続くもので,結構面白いものがたくさん売っている.じっくり見たらどれだけ時間があっても足りない.値段は交渉しだいのところもあり,「ちょっと1時間だけ買い物」とは行かない.店に入り,検討し,世間話をしながら気に入ったものがあったら交渉し,疲れたらカフェに入り,また歩く,といった感じ. さて,来た友人は酒好き,とあって,ちょうどそのときにやっていた,Great British Beer Festival に行ってみる.入口でまず,3ポンドを払って,1パイント (474ml) のグラスを買う.イギリスのパブでは,この1パイントのグラスが基本だ.中に入ると,これがまた,かざりっけも全くない倉庫のような会場に,ビア樽が鉄パイプのフレームに無造作に並べられている.中では,朝からずっと飲み続けている人たちが,そこらに座り込んで話をしている.すごい光景だ.しかし,ビールだけなためか,酔っ払って暴れる人はなく,皆楽しそうに飲んでいる.ちなみに,つまみなるようなものはホットドックぐらいで,たいしたものは売っていない. ビールは主に酵母の違いでラガー(下面発酵・すっきり)とエール(上面発酵・フルーティ)に分けられ,イギリスはエールが今でも良く飲まれている.日本ではほとんどラガービールだ.苦いから,とか黒いから,というのはその分類には関係なく,例えば真っ黒なギネスはエール(スタウト)だし,日本の黒ビールはラガーだ.しかし,そんなうんちくとは関係なく,皆乾杯し,ビールを飲み,またカウンターに戻っては新しいビールを注文するのだ. Buckingham Palace Ticket http://www.the-royal-collection.com/royaltickets/
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あののど自慢がロンドンにやってきた.ゲストは森進一と小林幸子. 予選の倍率は 10倍以上で,まず抽選で250組に絞られ,予選を勝ち残った決勝25組が会場にやってきた.観客の方もロンドン中から 4000人が集まった.あの例の「鐘」も日本から持ってきて会場に設置された. 出場者はNHKらしくまじめなのから受け狙いまで各種取り揃えられ,半分以上がイギリス人.日本の歌を歌うのがルールなので,宇多田ヒカルなど英語がある程度入った曲を歌っていた. 司会の宮川泰夫はベテランだけあって,始めから終わりまでよどみなくしゃべりきり,きっちり時間通りに終了.決まりきったことを.決まりきった進行で終了し,また来週からいつもののど自慢に出かけます,といっていた.さすが.普段日本でのど自慢など見たりすることはないが,何気に楽しめた. のど自慢 http://www.nhk.or.jp/nodojiman/
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今住んでいる町は,近くに川が流れ,ちょうど町の中心に橋がある.川のそばには遊歩道があり,ずっと先まで散歩していける.川沿いにはパブがあり,また川に面した住宅がある.こういうところの住宅は,庭にボートドックがあって,ボートが係留されている. 犬を連れた人や,老夫婦が川沿いをのんびり散歩する.イギリスの川を見ていて不思議なのは,これだけ雨の降る国なのに,川には堤防がなく,遊歩道や,川沿いの家も,川の水面と同じくらいの高さにある.これでは少し雨が降ったらすぐあふれるではないか,と思うのだが,普段から雨が日常的に降っているためか,地面があまり覆われてなく,また木々がたくさん残っているので,一度に川に雨が流れ出してこないのだろう.そのため,川は人の憩いの場になり,川のそばに高級住宅が立つ. さて,川沿いを散歩し,パブに入ってビターを頼み,外のベンチに座って川を行くナローボートをのんびり眺めながらちびちび飲む.なんかゆっくりしていると落ち着かないのは,まだ私が日本人であるためか.
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SOHO の ポートランド通りにある Yo! Sushi はロンドンの回転寿司.他にも何軒かある.おしゃれな内装と,寿司が回るハイテクな感じから,割と高級な部類に入る.でも,一人で気軽に入れる店だ.中では,イギリス人の女性が一人で食べていたりする. メニューは,一皿 2〜3ポンドぐらいが中心で,調子に乗って食べると結構な金額になる.味はまぁまぁおいしくて,ロンドン在住の日本人なら十分許せるレベルだ.大体この手の店では食べても良いものが決まっているので,それを中心に頼む.ソフトシェルクラブのてんぷら巻き,カリフォルニア巻きなどは,日本人の味覚にとてもあう.逆に,ヘタな握りを頼むと後悔する. 普通のにぎりの寿司が食べたかったらすしひろがいい.日本人の板前が握ってくれる.予約しないといけないし,1時間半で追い出されるが,一人40ポンドもあれば足りる.ただし現金のみ. Yo! Sushi http://www.yosushi.com/
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イギリスでは配管工は憧れの職業だという.なぜなら,儲かるからだ.良く新聞には,賃上げのストライキの話がニュースにのぼる.地下鉄,航空会社などでストライキがあるのは当たり前.ストがあると,会社は,路線を縮小したり,飛行機を減便したりして対応.もちろんストライキは合法なので,消費者はぶーぶー文句は言うものの,どうしようもない.もともと交通機関はあまり当てにならないので,遅れたら次のに乗ればいいや,ぐらいの感じだ.さらには,郵便局のスト,消防署のストというのもあった.郵便局のストがあると,当然郵便が届かなくなる.これはかなり大問題だと思うのだが,周りのイギリス人は,届かなかったら届かないでいいや,と達観してる.消防署のストでは,わりを食ったイギリスの軍隊の消防士が消火にあたっていた.日本人の感覚からすれば,これほど信じがたいことはない.とにかく,こういった労働者たちの賃金がとても低い中,配管工は 35,000ポンドとか,もっとすごい収入を得ているという.35,000ポンドというのはそんなにたいしたことはないように聞こえるが,イギリスの労働者階級ではかなりの収入だ. 家のシャワーの調子が悪いので,大家に行って,配管工に来てもらった.配管工は,まず,何度も念を押したにもかかわらず,予約した時間にはまずやってこない.それぐらいで怒ってはいけない.やってきたのは,専門学校を出たばかりのような若いにーちゃん,家に入り,シャワーをチェックし,「これは,交換が必要だね,部品をそろえて,また来るよ」と言い残し,1回目は終了.しかし,その次の週,アポの時間になって,「部品がそろわなかったので,また連絡する」との電話.こっちは家で出かけずに待ってるんだから,そういう話なら前日に連絡してこいよ,という言葉を飲み込み,次の連絡を待つ.しかし,待てど暮らせど1ヶ月たっても連絡が来ない.業を煮やした大家が,違う配管工に連絡.その配管工がやってきた.配管工は,大家の見守る中,部品をチェックし,やはり「部品がないから」と帰ろうとする.そこを大家はむんずと捕まえて,「うちはシャワールームが2つあるから,そのうちの1つから持っていけ」といい,配管工に自分の部屋の部品を取らせてそれをうちに取り付ける.しかし,どうしても部品が足りないので,配管工は解放され,部品を調達してまた来ることになった.しかし,またその配管工も部品を見つけられず,大家は近くのDYIショップで部品を買ってきて,それを取り付けろと迫った.かくしてうちのシャワーは直ったのは,直し始めてから3ヶ月以上もたってからだった.大家の強引さは,配管工のずぼらを知ってのことだろう.こんな感じで,イギリスの工事はちっとも進まないのだ.赴任直後に先の赴任者から受けたアドバイスは,「お願いしたら,まず2週間待て.それから2回目の連絡をするんだ.それが普通だよ」といわれて,そんないい加減な,と思っていたのだが,いまなら良くわかる. イギリスの水まわりは,とてもわるい.水圧が低いので,シャワーの出が悪い.それでシャワーがじゃーじゃー出て欲しい人は,パワーシャワーと呼ばれるポンプを買って自力で解決する.しかし,そんなのは問題のごくごく一部で,タンクが破裂して水浸しになったとか,お湯が出なくなたとか,そういう話は日常的に起こることだ.入居したときは,タンクが破裂したときのために,旅行に行くときは,必ず誰かに鍵を預けておけ,と繰り返し念を押された.赴任直後は,そんなことがおこるわけがない,と思っているのだが,しばらくして,その話が全く冗談でないことを知る. 最後に蛇口の話.大体どんな洗面台の蛇口でも,温水,冷水が出るようになっていて,それはいいのだが,それぞれの蛇口が別々についているのだ.しかも温水側の蛇口からは,本気の熱湯が出てくる.一体どうやってあの熱湯を克服しているのか,周りのイギリス人にきいても,笑うばかり.だから,家を借りるときは,蛇口を確認する.最近の家では,きちんと熱湯と冷水がひとつの蛇口から出てくるようになっている.しかし,そこで安心してはいけない.このひとつの蛇口から出る直径1cm程の水は,左半分が冷水,右半分が熱湯になって出てくるのだ.おためしあれ.
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