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   2003/12/26 Fri. 雨


■マンマ・ミーア

ミュージカルに出かける.ちょうどマンマ・ミーアのチケットが取れた.イギリスは 12/26 はボクシング・ディといって休日だ.

筋自体はいたって簡単で,母一人,娘一人で暮らしている娘が結婚するとき,自分の父親の可能性がある男たちを,母に内緒で結婚式に招待し,本当の父親を探す,という話.

Web を検索すると荒筋が出てくるので,予習してから出かける.このミュージカルの売りは,ABBAの曲がひたすら流れるところだ.ミュージカルはあまりせりふがないので,がんばって聞いていればなんとなくわかるのだが,ABBAの曲が替え歌になっていて,それがまた面白いらしい.原曲の歌詞が良くわかっていないとそこは楽しめないかもしれない.

結構 ABBA の曲はラジオで流れるし,今でも人気があるので,このミュージカルはABBAの曲のコンサートに行くようなものとも言われる.しかし,この日はなぜか観客のノリが悪く,いまいちだった.

妻は一人で立ち上がったり両手を振ったりしていたが,それもむなしく,皆おとなしく席でじっとしたまま閉幕.

 

   2003/12/25 Thu. 晴れ時々雨


■イルミネーション・イン・イングランド

良く,100万個とか電飾をつけたアメリカの家の映像がテレビで流れる.日本では,あざみ野などでは電飾をつけた家がたくさんあって,その見物客で渋滞まで引き起こされるという話も聞く.

イギリスではそういう話を聞かないな,と思っていたら,会社の人が電飾で有名な家を教えてくれた.ノース・ハンプシャーの家から北に車で20分ぐらいのところで,バークシャーにある.

行ってみると,見物人は向いの郵便局に車を止めて見学している.電飾の付いている家の中の電気も付いていたので,中で人は暮らしているようだ.黒山の人だかりというわけでもなく,コートを着た家族が何組か,家の前でじーっと見物している程度だ.

家の庭には箱が置いてあって,「電気代の寄付をお願いします」と書いてあった.さすが,イギリス人.

 

   2003/12/24 Wed. 晴れ


■ターキー・イブ

クリスマスといえばターキー.スタッフィングといって,ハーブで香り付けをした詰め物を詰めて,皮がパリパリになるまでオーブンでじっくりと焼き上げるのだ.このターキーは日本のおせち料理のようなもので,おいしいから食べるというよりは,「クリスマスだから」という理由で食べるものだ.一回巨大なターキーを焼いて,それがなくなるまで次の日も食べたりするところもおせち料理と共通している.

私は足がすきなのだが,妻は足よりもムネ肉が良いという.ムネ肉はぱさぱさとして,ソースをかけないと味もしないしおいしくないと思うのだが,どうもイギリスではムネ派が多いようなので,私のほうが例外なのかも知れない.

このターキーと並んで食べるのが,クリスマス・プディング.これは,いわゆるプリンから連想されるものではなく,ミンチしたフルーツを入れて砂糖をたくさん入れた重くて黒いパウンドケーキのようなもので,ムネヤケするほどこってりとしたものだ.これもおいしいからというより季節物として食べるのだろう,とイギリス人の同僚に聞いてみたら,「いや,俺も正直好きじゃないんだけど,妻は大好きだよ」といっていた.結構これは好き派と嫌い派に分かれるものらしい.

さて,クリスマスイブの晩,テレビを見ていたら,

「私はターキーが嫌い」

という番組をやっていた.(こういう番組を企画すること自体,とてもイギリスらしい.「地獄の旅行」とか,「最悪のレストラン」とか,そういう番組を良くやっている.)インタビュアーがいろんな人にインタビューして,なぜ嫌いかを語らせる番組なのだが,その出演者いわく,

「ターキーは味がしない.まるで木のチップを食べているようだ」

 

   2003/12/19 Fri. 晴れ


■「また来たの?」

最近良く日本に出張している.出張すると,一人でご飯を食べたくないので,とにかく日本の友達に連絡する.昼ごはんや,飲み会に誘う.誘われたほうも気を使って,「普段食べられないものを食べよう」といってくれるのだが,実際には,ほとんどのものはイギリスで手に入る.きんぴらゴボウやひじきなども食べられる.

でも良く考えると,なかなか食べられないものもある.マグロの刺身は食べられるが,ウニは日持ちがしないので難しい.生ガキは食べられるが,カキフライはここ1年ほど食べていない.納豆や豆腐は手に入るが,イカの塩辛はあまり見かけない.だから飲み屋に行っても,ウニばかり頼んだり,いきなり塩辛を頼んだり.

つまらないものなのだが,吉野家の牛丼とか,なぜか無性に食べたくなるのだが,わざわざ友達を誘ってもなかなか乗ってこないので(当たり前か),結果,一人さびしく食べるのだ.

 

   2003/11/30 Sun. 曇り時々雨


■ クリスマス・マーケット

イギリスの南西部,ロンドンから3時間ぐらいのところに,バースという街がある.風呂好きのローマ人が築いたこの街の名は,"Bath" と書く.その名もずばり,「風呂」という意味で,この街が英語の "bath" の語源になっている温泉街だ.今でも温泉はたくさん湧き,最近は Spa もできた.

街自体,黄色のかかった石でできた建物が並ぶ,古くてきれいな街だ.

この街では,クリスマス前になると,クリスマスマーケットが開かれる.移動式のメリーゴーランドなどもやって来る.マーケットといっても教会の周りに屋台が並んでいるだけなのだが,この雰囲気がクリスマスという感じがするのだろう,かなりの人出で,物をひとつ買うのも一苦労だ.

この時期,どこかに出かけてはクリスマスの飾り付けを買い,プレゼントを探し,だんだんとクリスマス気分が盛り上がってくる.周りの家も電飾を外に飾り,家の中のクリスマスツリーの電灯がともされる.会社の中もクリスマスの飾り付けがされ,会社のモニターも金のモールで飾られ,玄関ホールにはトナカイの置物と巨大なツリーが設置された.

http://www.bathchristmasmarket.co.uk/

 

   2003/11/26 Wed. 晴れ


■ 事件

いやな事件がおきてしまいました.赴任ならではでもあるので,気持ちが落ち着いたら詳しく語ろうかと思います.

 

   2003/11/16 Sun.


■ 赴任1年目

記念すべき赴任1周年を迎えた日は,なぜか日本に出張に行っていた.

「1年たってどうですか?」

はよく聞かれる質問だ.

もちろん言葉が不自由なことによるコミュニケーションの問題はある.重要なミーティングの席で,相手の言っていることがさっぱりわからず,ひたすら聞きなおすこともある.しかし,そういう恥や,会話のつらさはあまり問題ではない.

もっとも大きい大変さは,スタンダードが違うことだ.この「スタンダード」というのは,普段普通に暮らしていれば身に付く「常識」とか,「習慣」のことで,「普通こうする」という認識の違いによくぶち当たることだ.これは,小さいこともあれば,大きいこともある.日本では普通に行われていることも,こちらでは通用しないことがしばしばある.

私は以前茨城の水戸に住んでいたことがある.日本の街はだいたいどこも同じだから,特に生活に不自由は無かった.しかし,ある日コンビニに入って,おにぎりを2つ買うと,店員が「...を暖めますか?」と聞いてくる.特に暖めるものは買ったつもりが無かったので,「え?」と聞きなおすと,彼女は「おにぎりを暖めますか?」と繰り返した.おにぎりを暖めるなど夢にも思っていなかったので,どう答えてよいかわからず,困って「いや,いいです」ともごもごと答えた.たいした話ではないが,こういうことがあらゆるところでおこる.例えば,イギリスのマークス&スペンサー(どこにでもあるイトーヨーカ堂のような店)でチノパンを買ったとする.すると,店員は,「...を持って帰りますか?」と聞いてくる.意味がわからないので,何度も聞きなおした挙句,彼はハンガーを振りながら,「ハンガーを持って帰るかって聞いているんだよ」と半ば怒り気味にいってきた.ハンガーをくれるなど思いもよらないし,だいたいそのハンガーは,「Mサイズ」とか書かれた商品陳列用のハンガーなのだ.

イギリスでは,レストランの会計はテーブルで払う.しかし,パブでビールを買うときは,カウンターで飲み物と引き換えに払う.イギリスでは,行列は常にフォーク並びだ.列があいまいなときは,きちんと周りの人にどこに並んでいるか確認しないと面倒なことになる.イギリスでは,病院でお金を払う必要が無い.日本では,車を運転していて譲ってもらったとき,ハザードをチカチカやることがあるが,イギリスでこれをやったら「何かトラブルか?」と逆にいぶかしがられるだろう.イギリスで銀行口座を作るにはどうしたらよいか?何時以降にお金を下ろすと手数料がかかるのか?イギリスのバーゲンのシーズンはいつなのか?レストランで一人30ポンドという食事は高いのか,安いのか?小切手帳が送られてきたが,これは一体どうやって使うのか?切手には 1st Class と 2nd Class があるが,その違いは何か?携帯電話を買いたいが,買い方,払い方含めてやたらと種類がある.しかも,説明されても良くわからない.どれを買おう?

文字に書いてしまえばたいしたことではないのだが,この一つ一つが積み重なって,イギリスにいる間ずっと緊張状態で生活しているのだ.このことは,日本に出張するとよくわかる.日本にいると,今度はイギリスにいる間,緊張続けてていた自分に気が付く.少なくとも,日本にいる間は,「普通に」行動していれば済むのだ.

さて,1年たってどうか.はじめよくわからないまま暮らしていく.このあたりは,旅行気分で暮らしており,いやなこともなぜか楽しい.だんだんこの緊張状態のつらさがわかってくる.特に妻などは,日常的に外と接しないといけないので,とても苦労していることと思う.1周年という時期は,「スタンダードがわかってくる時期」だと思う.イギリスの社会の中で,知り合いもでき,隣人と挨拶をするようになり,だんだんと自分の居場所がわかってくる時期だ.

日本からイギリスに帰る飛行機で,ブリティッシュ・エアウェイズの機長が,ガチガチのイギリス英語でアナウンスする.

「こちら機長です.ただいま,左手に富士山が見えます.」

すると,イギリス人が何人か立ち上がって,窓から写真を撮り始めた.そうか,イギリス人にとっての富士山は,そういう感覚か.私もデジカメを構えてみた.

 

   2003/11/11 Tue. 霧のち晴れ


■ リメンバランス・デイ

空港で買い物をしようとしたらレジの人がじっと黙ったまま目を合わせようとしない.ふと周りを見ると,みんな黙ってその場に立っている.耳に残っていた英語を訳してみると,「2分間の黙祷です」と言っていた.

赴任して大体1年がたったが,今でも意識して英語を聞かないと中に入ってこない.面白いのは,音としては聞き取れているので,さかのぼってみると意味として理解できると言うことだ.耳に入ってきた音は聞けない人には単なる音に過ぎないのだが,通り過ぎた音も脳のどこかにしっかり残ってみて,意識して情報処理してみると,断然意味なのだ.

 

   2003/11/05 Wed. 晴れ


■ ガイ・フォークスデイ

日はますます短くなり,朝家を出ると,朝露であたり一面ぬれている.紅葉も終わり,長い冬が始まっている.週末も,家でのんびりしているとあっという間に夕方になってしまう.

11/5,イギリスは花火の日.少し前から店では「花火あります」の表示が張られ,20ポンド(3,600円)も出せば山盛りの花火が買える.これは,スコットランドの王様のやり方に不満を持った一味が王様もろとも議会を爆破しようとして未遂に終わった事件が始まりという.この日は,わら人形を燃やしたり,花火を打ち上げる.

7時ごろ会社を出て家に向かうと,そこかしこで打ち上げられた花火が見える.こちらの花火は手に持つようなかわいいものは一切無く,みんな打ち上げて,ドーンと爆発するものばかりだ.車が丘に差し掛かると,360度見渡せるところに出た.見渡す限りあちこちで花火が上がっている.

冬のイギリスもなかなかいいものだ.

 

   2003/10/31 Fri. 霧のち晴れ


■ Halloween

今日はなんだかわくわくして,朝7時過ぎに家を出た.会社の食堂にもハロウィーンのかぼちゃが飾ってある.どうも我が家のより凝った作り.いつもやる気の無い食堂の女性は頭に耳のヘアバンドをつけていたが,やっぱりやる気の無いところはいつもと一緒だった.

さて,会社も5時には出て,家に帰る.この時期,イギリスは5時にはもう暗い.会社の人は,「来る年もあれば,来ない年もあると妻が言ってました.」という.そうか,来ない年もあるのか,と少し心配になる.自分はわざわざそのためにそそくさと帰るのだが,そんなことをしている赴任者は私だけかもしれない.

聞くと,かぼちゃを切ったのもうちだけのようだ.逆に「どうやって作るんですか?」と聞かれる.家に着くと,玄関にろうそくのついたかぼちゃが飾ってある.万全の構えだ.家に入るなり妻に聞くが,まだ誰も来ていないという.そうか,間に合ったか,とひとりごちてビールの栓を空ける.

夕食を食べながらじっと待つが,誰も来る気配が無い.7時になり,道路に出てきょろきょろしてみるが,誰もいない.なんだ,来ないのか,とあきらめの表情になり,わざわざリボンをかけて用意したお菓子の袋を開けてチュッパチャップスをしゃぶる.せっかく用意したお菓子が無駄に終わり,悲嘆にくれているところに,「チン!」ドアのモザイクガラス越しに子供が見える.来た!子供が2人,「Treat!」と叫ぶ.持っていた聖杯にお菓子を入れてあげる.良かった.まず2人だ.満足感に浸る.その後,じっと 30分さらに待つが,誰も来ない.しかしこれがまた,釣りに出かけて1匹でもつれるのと,全く釣れないで帰るのとでは全く違うように,2人来たことで,かなり達成感を味わっていた.

チョコを少しかじっているところに,また「チン!」今度は割と大きい子供だ.どうもお面が少ししかないらしく,同じお面で3組が順番にやってきた.キッチンの窓に「ドン!」と音がして,見てみると卵が投げつけられていた.いたずらされたのだが,なぜか余計に満足して,ハロウィーンは終了.全部で9人がお菓子をもらっていきました.

 

 

   2003/10/30 Mon. 雨


■ Jack-O'-Lantern

日曜に作ったハロウィーン用の Jack-O'-Lantern を飾る.

サタデーマーケットで買ったかぼちゃは 1ポンドあたり 30ペンスで GBP 3.36(600円) だった.

さて,このかぼちゃをどうやったらお化けかぼちゃにできるか.WWWを調べると,専用のカービングツールが売っているというが,実際はぺティナイフがあれば,普通の奴なら作れる.

まず天井を6角形に切ってヘタを持ち上げるとふたのようにパカっと取れる.そして中の種をスプーンで取り出す.後は目,鼻,口をグサグサ切って取り外せば出来上がり.意外とあっさりとできる.中に火をつけたろうそくをおけば完成.

 

   2003/10/26 Sun. 晴れ


■ サマータイム終了

朝妻がパソコンの時計が 1時間狂っているというので,確かに狂ってるな,と思い1時間進める.その後何事も無く朝ごはんを食べ,かぼちゃをくりぬいてハロウィーンの Jack-O'-Lantern を作って昼ごはんを食べ,日本のニュースなどチェックしていたところで,ハタと気づいた.昨日でサマータイムが終了しているのだ.パソコンはきちんとその事実を把握していて,きちんと時間を1時間戻し,冬時間にしておいたのだ.それをわざわざ夏時間に戻してしまった.イギリスでは,10月最終日曜の 1時59分の次にまた 1時00分に戻る.標準時は,BST (British Summer Time) から GMT (Greenwich Mean Time) に戻る.

毎朝だいたい同じ時間に会社に行っているのだが,だんだん朝サンバイザーを下げないと運転できなくなってきていた.最近ではサンバイザーのさらに下まで太陽が来てしまっていた.これでまた 1時間日が昇るのが遅くなってしまうので,朝家を出るときは真っ暗だ.暗いまま会社に着き,帰るころにはすっかり暗くなっているので,太陽を見ることなく一日が終わってしまう.こんな季節が春までずっと続く.これからの季節は,イギリスは暗い暗い季節なのだ.

家中の時計を直して回り,ついでに目覚ましも 1時間早める.時差の関係で日本と連絡できるのは朝のうちなのだが,明日からは 1時間早く起きないと,その分日本と話がしづらくなってしまうのだ.

 

   2003/10/18 Sat. 晴れ


■ Trick or Treat

実際にはクリスマスよりもハロウィンの方が早めにやってくる.ハロウィンは 11/1 の万聖節とかいうキリスト教イベントの前夜のお祭り.実際には,店でもクリスマスコーナーと比べると小さめで余り盛り上がっている感じはしない.もともとはケルト人のイベントだが,アメリカ人が勝手にアレンジしてお祭りにしてしまったのでは無いだろうか.ちなみに「サンクスギビングはイギリスもお休み?」とたまに聞かれるのだが,サンクスギビングはイギリスには全く関係ない.

会社の人に聞いてみたら,うちの近所でも子供たちがやってくるというので,うちでも Waitrose でおかしパックを買って来てリボンをつけてつめなおした.

しかし,初めてなので,本当にくるのか (がんばって準備して誰も来なかったら寂しいし),近所のお母さんから「あの家はやめときなさい」といわれたりしていないか,家の中にいる人は仮装しなくてもいいのだろうか,かえって来すぎてお菓子が足りなくなったりしないかどきどきしながら,ハロウィンの 10/31 Fri. を迎えるのでした.

 

   2003/10/12 Sun. 晴れ


■ ツリー

突然クリスマスツリーを買おうという話になって,近くのガーデンショップへ行く.このツリーはサイズ5 feet (150cm) ぐらいから 8feet(240cm) ぐらいで,形も,電球がついていたり,雪がついていたり,太かったりスリムだったりしてたくさんある.ガーデンセンターは1フロアスペース分ぐらいの広さが全部クリスマスになっていて,飾り付けからプレゼントを入れる靴下までたくさん売っている.

どうせだからでかいのを買おうと思い,太目・マツボックリ付きのタイプで一番大きいのを買った.太目のタイプは 7feet (210cm) が最高で,枝ぶりもよく,結構重い.箱はゴルフバックぐらいの大きさで,「Build in minutes」と箱に書かれている.実際には 2人がかりでビールを飲みながら1時間ぐらいかけて組み立てた.太目のタイプなので, 4畳半ぐらいのコンサバトリーを占拠してしまった.

しかし.実は大変なのはツリーよりもその飾りのほうで,いろいろな店でガラスとか,フェルト地とかで作られた飾りが1つずつ売られており,しかも「2003」などとわざわざ「今年モデル」を強調してあったり,これがまた来年になると新しい飾りが欲しくなるようにできているのだ.

 

   2003/10/11 Sat. 晴れ


■ ハロッズカード

ハロッズカードはセゾンカードのように,会費無料で誰でも作れるクレジットカード.たまにカード会員だけ 10% OFF の日があって,その日を目当てにカードを作る.ただしこのカードを作るには条件があり,

1. イギリスに住んで 1年以上たっていること

2. または,US,オーストリアなど限られた国のパスポートを持っていること

で,かつ 2種類以上の ID を提示できること(クレジットカードとか,運転免許証とか).前は 1. の条件はもう少しゆるかったようなのだが,多分留学生などを除外するために,条件を厳しくしたのだろう.実はまだ1年たっていないので,正直に「もう少しで1年何だけど,今後も住む予定だから別にいいよね」と言うと.「I'm afraid that ...」きた.この言葉で始まるときは,たいてい取り付くしまが無いときなのだ.銀行で,役所で,いろいろな場面でこの言葉を聞いてきた.日本語でいうと,「大変申し訳ありませんが...」というところだと思うのだが,イギリスで聞くときはあちらは完全お断りモードに入っているときで,「あなたは私たちにとって大変歓迎されるゲストなのですが」などなどほめ言葉を混ぜつつ慇懃(いんぎん)に断ってくるので,かえって頭にくる.で,どうしたか,というと,「ちなみにどうやって1年以上住んでいるか証明したらよろしいでしょうか」と聞くと,「お客様を信じておりますので」と殊勝なことをいってくるので,違うフロアに行って作らせていただきました.

 

   2003/10/10 Fri. 小雨


■ "," vs "."

「,」か「.」か、小数点記号論争にピリオド? http://www.asahi.com/science/update/1009/001.html

という記事が朝日新聞の WWW に載っていた.確かに大陸の人とメールのやり取りをしていると,大陸側は小数点に「,」を使う.これが結構混乱の元.さらによく困るのは 05/04/2003 などと書かれたら,これっていったい 4月5日なのか5月4日なのか良くわからない(ちなみにイギリス式は4月5日,米国式は5月4日).これが 05/04/03 などと書かれるといつなのかさっぱりわからない.

それにしても米英の皆様,「,」の国を責める前に,インチとマイル使うのをやめなさい.

 

   2003/09/22 Mon. 雨のち晴れ


■ 虹

会社から帰ろうとしたら,とても見事な虹が出ていた.

虹って2重になるって知ってました?ちなみに外側の虹は色の順番が逆です.

 

 

 

   2003/09/12 Fri. 晴れ (アムステルダム)


■ 飾り窓

飾り窓というのをご存知でしょうか.

アムステルダムの街は運河の張り巡らされたとても美しい街で,水のある歴史の街という趣で,とてもよいところだ.泊まったホテルも運河の脇で,窓からはボートがたくさん停泊しているのが見える.市内の移動は,この運河上を移動する水上バスか,縦横に張り巡らされた路線バスかで行う.

その一方で,あのアンネの日記のアンネ・フランクがかくまわれていた家も,このアムステルダムにある.そんな歴史を持っているところなのだが,オランダといったら,マリファナも黙認,売春も合法,など開放的というか,それでいいのか,というところ.この飾り窓というのは,ちょうどドア1枚分の窓の向こうで,女性が男を誘う,というもの.窓には赤いネオンがはまっていたり,とても怪しい通りなのだが,ここは観光スポットになっていて,中国人の団体客がみんなでぞろぞろ歩いている.とても中に入れるような雰囲気ではない.もしここで入ろうものなら,「えっち!」などと野次が飛ぶ.

 

   2003/09/02 Tue. 晴れ


■てんぷら

話せば長いのだが,最近家でてんぷらをめぐる激しい争いが行われた結果,思う存分てんぷらを食べさせてもらうということで,我が家の食卓にてんぷらが登場した.

イギリスに来ても割りと日本の食事をしているし,米も日本米 (ただしイタリア産あきたこまち) は結構おいしい.しかし,塩辛とか明太子とかちょっとあるといいもの,はなかなか手に入らないらしい.別に気にせず冷蔵庫に入っているものを勝手に食べると怒られたり.

このてんぷらというもの,何か高級な店で一本ずつもったいぶって出されると高級な感じがしてしまうのだが,実は結構庶民の味なのではないかと私は思うのだが,いかがでしょうか.

 

   2003/08/29 Fri. 晴れ一時雨(ベルリン)


■ベルリン

ベルリンの壁を見に行った.どうだたっかといわれれば,ただの壁だったのだが,高さ 3m ぐらいの壁が今でも保存されている.この壁は南北にポツダム広場を抜け,ブランデンブルグ門を抜け,川に沿って続き,だんだんと東に向かって進んでいく.そのあたりの壁なのだが,現在も落書きも無くきれいに残っている部分がある.もちろん,今では東側からも西側からも自由に見ることができる.

高校生のころ,学校の近くのラーメン屋でドイツ語を第二外国語で習っていた友達が,「ゲルマンはまたひとつになって大ドイツになるんだ」とかうそぶいていたのを「何いってんだ」といいながらラーメンを食べていた.

1989年のある日,壁の上に人が立って騒いでいる映像がテレビに映っていた.なぜかこのときもラーメンを食べていた.だからか,いまでもこの壁の映像を見るたびにラーメンの映像が浮かんでくる.

何が良くて何が悪いのかを議論するつもりは無いが,あるイデオロギーの引いた線ができては消え,できては消え,ヨーロッパの国の形は年を経るにつれ変わるものかもしれないな,と少し感慨にふける.

 

   2003/08/25 Mon. 晴れ


■プチトマト

イギリス人たちの間では,ガーデニングはとても人気のある分野で,本もたくさんあるし,テレビでもガーデニング番組を結構やっている.

うちでもプチトマトの苗を買ってきたり,ミントとかバジルとかを育てていた.

バジルは台所の流しの前の窓においてあった.水分に結構敏感なので,旅行に行って帰ってくるとしなびていたりしてかわいそうだった.それでもそのつど水をやると復活するので,しなびかけているのを見つけては水をやったりしていたのだが,ある日の朝,「あ,またしなびてるな」と思ったのだが,そのまま出かけてしまった.会社から帰ってきたらなくなっていた.

ミントは大きくなって手に負えなくなったので,庭に植え替えたら野生化し,どんどん増えている.たまに増えすぎた分を抜いたりしているが,抜くときに透明なミントの香りがする.ミントには記憶を呼び覚ますという働きがあるともいう.一本抜くたびにぼんやりとした映像が頭に浮かぶ.

少し調べると,

「ミントは非常に繁殖力が強くすぐに大きく育ちますので、他のハーブと同じ鉢に寄せ植えしないようにしてください。ミントの根が張って他の植物が死んでしまいます。土植えするときも地中に鉢を埋め込み、根が広がらないようにしましょう。」

だそうだ.今度は庭を埋め尽くしたミントが頭に浮かんだ.

確かに植物はそれぞれに特徴があって,育て方があって,追求しがいのある分野かもしれない.プチトマトにいたっては,鉢に入りきらなくなってフロントガーデンに植えたは良いが,ちょうど霜が降りて葉がすべて枯れて茎だけになってしまった.抜くことをしないでほったらかしにしておいたら,また葉が出てきて見る見るうちに伸び,広がってきた.あわてて支えの棒を立てると,その棒などお構いなしにどんどん広がり,実をつけてさらに成長中.トマトは砂漠の植物なので,水をやらなくてもどんどん育つ.

 

   2003/08/10 Sun. 晴れ


■ミステリーサークル (その2)

日本から友達が来たので,空港でピックアップして,今回は違うタイプのミステリーサークルを見に行く.今回はかなり大規模で美しいものが見られた.

http://www.cropcircle-archive.com/
http://www.cropcircleconnector.com/2003/walkershill/walkershill2003a.html
から引用すると,

というものだ.かなり大きいので,作るのとても時間がかかりそうだ.図を見ていただければわかるように,ミステリーサークルは円弧を組み合わせて図形を作る.最も簡単に作れる図形が円だからという理由だと思われるが,その制限の中で毎回新しい形を作り出すのがこのミステリーサークル作りの面白さか.

*** 動画 (530kbyte) *** (動画削除しました)

 

   2003/07/26 Sat. 曇り時々雨


■ミステリーサークル

ストーンヘンジ,ネス湖のネッシー,そしてハリーポッターの魔法の世界など,イギリスはミステリーの本場なのだが,そのひとつ,ミステリーサークル.

こちらでは Crop Circle というほうが良く通じる.毎年夏になると Hampshire地方 や Wiltshire地方に多く出現する.一夜にして出現するミステリーサークルの情報を集めている WWW もいくつかあり,

Crop Circle Connector http://www.cropcircleconnector.com/index2.html
Temporary Temples http://www.temporarytemples.co.uk/

などを見ると,結構見事な幾何学模様が麦畑に描かれている.前から結構気になっていたので,この機会に実際に行ってみてみることにする.詳細な地図があるわけではなく,大体この辺,という WWW の情報をもとに,きょろきょろしながら車を走らせると,割とあっさりと見つかった.もちろん畑に入ると農家の人に怒られるのだが,結構中に入ってみている人がいる.本当に道路の脇にあるのもあったので,見てみると,麦がみな一様に同じ方向に倒れこみ,折れ曲がっているのがわかる.

さて,このミステリーサークルを5つ6つみて回った後,Crop Circle Cafe でサンドウィッチを食べる.ここに行くと,ミステリーサークルを探し回っている同好の士が後から後から入ってきて,地図を見ながらここのはなかなかいいぞ,などと情報交換している.

毎年出現する「名所」もあるし,形も自然現象にしてはちょっとやりすぎなものが最近は多いようだ.このミステリーサークルを作っている人たちの WWW もある.

Crop Circle Makers http://www.circlemakers.org/

さて,人工か,自然現象か,はたまた「大半は人工で,自然のものもある」のか?人工だとしたら,作っている途中に農家が警察に通報して逮捕されたり,つくりかけで放棄されたものがあってもよいと思うのだが,そういう話は聞かない.町全体がグルなのかもしれないし,ジョーク好きのイギリス人は,「すべて承知の上で」まじめに研究したり,議論しているのか? Cafe で休憩しながら,そんなことを議論していた.

 

   2003/07/20 Sun. 曇り時々雨


■エアータトゥー

Tattoo というのはもともと軍隊の楽団の行進のことだが,エアータトゥーといったら,航空機の行進,つま航空ショーのこと.

毎年開かれる Air Tattoo http://www.airtattoo.com/ は世界最大級のもので,主にヨーロッパとアメリカの戦闘機と,Red Arrow などのアクロバット飛行チームが編隊飛行を披露する.

会場の入り口には,市民団体が「戦闘機は見世物ではない.いまここで引き返そう」という横断幕を持ってたっていた.

朝 10;00 から夕方 18:00 まで延々順番に違う飛行機が滑走路から飛び立ち,その飛行機の限界性能を披露してくれる.音速を超えた状態で目の前を飛行するので,すごい迫力.アクロバット飛行チームも目の前でクロスしたり,編隊を組んだ状態で回転したりして,思っていたよりはるかに面白かった.しかし,観客はみんなすごい望遠レンズを持ってきていて,航空機の方も,撮影のためにわざと車輪を出して飛んでみたり,機体をこちらにむけて飛んだりしてマニアックな世界を作り出していた.

観客のほうは,ビールを飲みながら芝生に座り込み,イギリスのまずいホットドックを食べながら飛行機の飛ぶ様を眺める,という感じ.子供が飽きないように,遊園地のような一角もある.

最後のほうは,割とレアな飛行機が集められていて,まず,イギリス空軍の誇るハリヤー.これはジェット機では唯一ともいえる垂直に飛ぶことのできる飛行機で,滑走路から助走なしで飛び上がり,普通に戦闘機としての運動性能を見せた後,空中でぴたっと止まり,そのままバックしたりしてくるっとまわり,そのまま着陸した.まわりのレアなファンたちは,全員総立ち.拍手をしていた.アメリカ空軍は Lochkeed B-2 ステルス爆撃機などマニアックな戦闘機を飛ばしていた(写真).それにしても,この飛行機が飛んでいる間,みんなまた総立ちになり,カメラの放列が飛行機を追い,しきりに写真を撮っていた.航空機としては確かにこの全翼機は珍しいし,垂直尾翼がないこの形は制御が大変だろうと思うが,何も総立ちにならなくても.

今日の英単語: この航空機の操縦テクニックのことを Manoeuvre という.

 

   2003/07/10 Thu. 曇


■バルーン競争

会社から家に帰ると,妻が「今日はちょっといいことがあった」という.何があったのか聞いてみると,いわく,

庭になんかごみみたいなのが落ちているのが見えたので,拾いに行ったら,なんか紙の札のようなものがついていたので,読んでみると,こう書いてあった.

Grand Baloon Race
Notice to the finder

Please fill in the details below and post the card to the address overleaf. A prize will be awarded to the finder of the balloon which has travelled the greatest distance. Make sure that you return the card before the closing date.

つまり,どこかの小学校が校庭から札のついた風船を飛ばして,一番遠くで発見されて札が返ってきたらその飛ばした人が商品がもらえるというレースをやっているようだ.見ると高速のジャンクション2つぐらい先から飛んできたようだ.一番遠くでなくても,自分が飛ばした札が帰ってきたらうれしかろうと思い,切手を貼って返信しておいた.8月ぐらいに集計されるようだが,果たして.

 

   2003/07/05 Sat. 晴れ


■バーベキュー!

イギリスの夏といえばバーベキュー.よく晴れた夏の日は,そこかしこの庭からバーベキューの煙がもくもくとあがる.

スーパーに行くと炭(チャコール)が山積みにされ,肉のコーナーにはすでに味付けされてすぐ焼くだけの肉が並んでいる.もちろん家々には独自のバーベキューの漬け汁のレシピがあり,ただ焼くだけなのだが,味付けは割と幅広い.

朝窓から外をのぞいて晴れていたら,バーベキューびより.チキンのドラムスティックなどは,午前中に買いに行かないと,夕方買いに行ったらもう売り切れ,というぐらいみんなバーベキューに精を出しているようだ.さて,うちもマッチ一本で着火できる「インスタント・ライトニング・チャコール」と,15ポンド(3,000円)のバーベキュー用のコンロを買ってきて,早速やってみた.

この「インスタント・ライトニング・チャコール」はとてもスグレモノで,袋の中に炭が入っていて,袋ごと燃やすと,袋に油がしみていてそのまま炭に火が着く.炭でじっくり焼いたチキンは,皮もぱりぱりで,中の肉も柔らかくなっていて,とてもおいしかった.

 

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