Cairo

世界有数の人口過密なナイル川沿いの町

イスラム都市カイロ,79/10/26,文化遺産

2004/5/1 Egypt Air MS778 London Heathrow 15:00 - Cairo 21:45 4h45m

明太子のおにぎりとなめこ汁で朝食をとる.しばらくはエジプト料理になるので,良くかみしめて食べる.日本からのフライとだと18時間はかかるが,ロンドンからなら 5時間だ.空港には3時間前には着いていたが,エジプト航空 Egypt Air の前には,長い行列ができていた.

ロンドン・ヒースロー空港のターミナル 3には,何気においしいパン屋がある.このターミナル3は,日本人や,アラブの人を目当てにしたブランド店がやけに充実しているのだが,いつも,わき目も振らずにそこに行ってパニーニなど食べる.それで十分満足してしまうところが結構安いかもしれない.

ゲートが開いたのは 15:45 になってから.飛行機は遅れていたが,エジプトエアーのパーサーは親切で,機体もスタッフのユニフォームもとても古そうだったが,国際線にしてはシートピッチも広く,良い感じだ.ただし,最近では当たり前の個人用モニターなどなく,前方のスクリーンで映画をやっていた.機内食はごく普通の機内食.

夜のエジプトの大地を飛ぶが,なかなか明かりは見えてこない.しばらくすると,明かりが見え始め,しまいには明かりで眼下が埋め尽くされた.カイロは世界でも,メキシコシティーなどと並ぶ人口密度の高い都市だけあって,明かりがとても密集している.ピラミッドが見えないかと目を凝らすが,見えなかった.

着陸の衝撃で,飛行機の天井が外れて落ちてきた.おいおい.

カイロの空港の気温はそんなに高くない.風が強く,砂嵐が来ていた.入国では,形だけのビザにお金を払う.このビザ,LE32.20(580円)の印紙を US$15(1650円.2004年5月.)で買わされるところがとても納得がいかない.しかも審査も何もなく,単純に印紙を買わされるだけなのだ.ま,こんなことでいちいち引っかかっていたら,とてもこの国は観光できないのだが.

荷物を引き取って,市内へ.すでに深夜 0:00 を回っていたが,カイロ市内は渋滞するほど車が走っている. 2車線の道に 3車線を作り,ぴかぴかとパッシングしながら右から,左から追い越していく.建物と建物の幅いっぱいに作られた高架の高速道路を,読めないアラビア語の看板にしたがって走っていく.薄暗い街灯に,頼りないヘッドライトでかろうじて道がどこにあるかがわかる.ドライバーはただ黙って前へ前へと車を進める.30分ほど走ると,ライトアップされたピラミッドが見えてきた.クフ王 King Khuufuu と,カフラー王 King Khafra のピラミッドがライトアップされている.でかい!これは実際に見てみないと実感できないと思う.これこそ聞くのと見るのでは大違いだ.

泊まるホテルは,メナ・ハウス・オベロイ Mena House Oberoi,1869年に作られた宮殿をホテルにしたものだ.このホテルの売りは,ずばりピラミッドに隣接していること,部屋にいても,朝食でも,プールでも,どこにいてもピラミッドが見える.ピラミッドの入口のところにあるので,歩いてピラミッドに行ける.ゴルフ場に隣接していて,そのゴルフ場では,ピラミッドを見ながらゴルフができる!

次の日.朝日が上り,改めてピラミッドを見る.朝食をとりにレストランに行く.巨大なガラスの窓があって,やはりピラミッドが見える.朝食は普通のビュッフェだが,ここでは「普通のビュッフェ」であることはとても貴重なこと.

エジプト考古学博物館

タクシーでエジプト考古学博物館 に行く(LE30=540円.高いが,高級ホテルで拾うとこんなもの).タクシーの運転手は,しきりに他の観光を売り込んでくる.この売込みを適当に受け答えしながら到着.

エジプトの観光地は,いちいち金属探知機をくぐり,荷物チェックを行う.はっきり言って面倒くさいし,カメラのフィルムはいちいち X線にさらされる.これは,かつてテロが横行したときに導入されたものだと思われる.ホテルの入口にまであり,実際に観光客に対してはあまりまじめに検査を行っていないのだが,エジプト人がホテルに入るときは,かなり念入りにチェックされている.

博物館は,入場料 LE20(360円).中は,博物館というより倉庫のようで,天井ははがれているし,汚く,採光も悪いので,ガラスのケースにいろいろな反射光が映り込んでとても見にくく,展示の仕方もお粗末.ただし,中にあるものは間違いなく一級品ばかりだ.小物などは,まるで

スーパーの陳列棚のように

並べられ,しかも説明書きがほとんどないので,何がなんだか良くわからない.大英博物館のエジプトの間では大切そうに並べられているミイラの棺も,ここでは,とにかく壁高く積み上げられている.エジプトは各国にエジプトからの出土品の返還を願い出ているようだが,返さないほうがいいのでは,と考えてしまう.


エジプト考古学博物館のツタンカーメンの黄金のマスク

Egyptian Museum, Cairo, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

朝開館と同時に行ったので,うるさい団体客が来る前に,2F奥のツタンカーメンの黄金のマスクの間に直行.かなり昔に日本に来たときに見たときは,たいして知識も興味もなく,こんなものかな,とあまり感慨もなかったが,今見ると,そのすごさが実感できる.意外と奥行きがあり,造詣も美しい.これが 3300年以上前のものだというのがすごい.博物館の2Fは半分がツタンカーメンの王墓からの副葬品.ツタンカーメンの棺は,何十にも何十にもマトリョーシカのようになっていたので,それが一つ一つ取り外されて並べられている.


ラムセス2世のミイラ

Egyptian Museum, Cairo, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

もうひとつの目玉は,ミイラの間.こちらは別料金(LE40=720円).ファラオのミイラがひとつの部屋に集められている.エジプト各地にさんさん自分の像を作ったラムセス2世のミイラもここにある.


ナルメル王のパレット

Egyptian Museum, Cairo, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

1Fには,エジプトを統一したとされるナルメル王のパレットがある.これなど,5000年も前のもので,エジプトの文化の始まりがそんなにも前だったのか,と考えると,エジプトの歴史のすごさがわかる.そのほか,すごい展示物がたくさんあるのだが,見るうちにだんだん疲れてきて,

展示物がだんだんただの石に見えてくる.

オールド・カイロ


カイロ地下鉄の中

Metro, Cairo, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

地下鉄に乗って,オールド・カイロに行ってみる.地下鉄は古くてメンテされていない感じがするが,75pt(=14円)で乗れるので,便利だ.チケットを2枚買って,LE10札を出すと,もたもたとおつりを返してきた.おつりを数えると,LE 1(18円) 足りない.エジプト人が良く間違える国民なのか,というとそういうわけではなく,LE 1 ちょろまかそうとしただけなのだ.この

「おつりを少なく渡す」攻撃

は,店で買い物をするたびにおこるので,いちいちおつりを数えて,「おまえなー」という顔をすると,悪びれるでもなく,残りのお金を差し出してくる.わかってやっているのだ.オールド・カイロは,文字通り古い町があるところで,ガーミア・アムルというエジプト最古のイスラム寺院や,コプト教の修道院があるところだ.


オールド・カイロのパン屋

Old Cairo, Cairo, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

マル・ギルギス駅を越えて,西側は,エジプト人の生活圏があり,果物を売っていたり,生きたニワトリを売っていたり,さまざまだ.きれいとはいえない道を歩いていくと,扉の前に人が群がっている.なんだろうと思って近づくと,アエーシというエジプトのパン屋だ.そこに皆焼きたてのパンを買うために並んでいるのだ.ためしに,LE1(18円)を出して見ると,たちまち持ちきれないほどのアエーシが渡された.20枚の熱々のアエーシだ.あまりに熱々で,持っていられないでいると,おばちゃんがビニール袋に入れてくれた.しかし,そんなにいらないので,押し問答の挙句,そのおばちゃんにあげた.普通のエジプト人は,とても人なつっこく,親切なのだ.1枚だけ食べてみると,薄いパンだが,みずみずしくて,少しすっぱくておいしかった.

イスラミック・カイロ - ハーン・ハリーリ


ハーン・ハリーリのベルト屋

Cairo, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

カイロのイスラム地区は,世界遺産にも指定されているが,モスクのミナレットと呼ばれる塔が立ち並ぶ地区だ.その中で,お土産街のあるハイーン・ハリーリに行ってみる.スークへ行くと,店がずっと並んでおり,客が道にあふれ,客引きが客を必死で勧誘する.観光ルートになっているので,観光バスも乗り付ける.横道がいくつもあり,それぞれがスークになっている.ベルトばかり抱えきれないほど持ったベルト売り,飲み物のポットを抱えた羅漢果ジュース売り,竹のかごにアエーシをつめて頭に載せたアエーシ売りなどが行き来し,店の客引きも,相手の国の言葉に合わせて声をかける.日本人には,「やまもとやまー」「バザールでござーる!」などと変なことを言って来る.とにかく何かを売りつけようと必死だ.


スイカ屋?

Cairo, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

20リットルは入るガラスの容器に,コーヒー色の液体をいれて売り歩いている人がいる.中の飲み物は冷たそうで,結構みんなその人を呼び止めては,コップにそれを入れてもらって飲む.彼はコップを1つしか持っていなくて,注文したら,ジュース売りに見つめられながら,その場でコップいっぱいを飲みきらないと次にいけないのだ.ためしに飲んでみる.一口口をつけた瞬間,うっと詰まる.ほのかに甘く,しかしとても薬草臭い.羅漢果だ,と妻は言っていた.飲むのがとてもつらいのだが,飲み干すのを前でじーっと待たれる.さらに「おなかにいいんだよ」と,いう.飲まないと悪い気がして,必死で飲み干した.すると彼はにこっと笑って手を上げた.


ピラミッドに沈む夕日

Pyramid at Suset, Giza, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

歩きつかれてターキッシュ・コーヒーを飲む.イスに座っていても,物売りは店の中まで入ってきて売ろうとがんばる.一番気に入ったのは,スイカ売り.丸いスイカを頭に乗せて歩く.単に落っことさないのを自慢したいだけか?US$2(220円)でT-SHIRTSを1枚買う.帰りのタクシーは,イスラミック・カイロの町並みを抜け,夕日のピラミッドを見ながら帰る.


Giza

現存する唯一の世界の七不思議

メンフィスとその墓地遺跡-ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯,79/10/26,文化遺産

ピラミッドをバックにゴルフ


メナ・ハウス・オベロイ ゴルフコース

Mena House Oberoi Golf Course, Giza, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

さて,泊まっているメナ・ハウス・オベロイ Mena House Oberoi の売りのひとつは,ゴルフコースがあることだ.

グリーンフィー LE 50 (900円)
道具レンタル LE 52.5 (945円)
トロリーレンタル LE 30 (540円)

と格安.ちなみに,キャディーを頼んでも LE 40(720円)だ.コースとしては,普通のパブリックのコースぐらいだが,良くこの砂漠の中に作ったな,と思う.これができた当時はエジプトには 3つしかゴルフコースがなかった.現在では 15あるという.クフ王のピラミッドの本当に隣にあるので,どのホールからもクフ王のピラミッドが良く見える.ティーのマーカーも,もちろんピラミッド型だ.クラブハウスでも,もちろんピラミッドを見ながらビールが飲める.エジプトのビールといったら,エジプト産のステラビールだが,ここのビールはとてもよく冷えていておいしかった.

ホテルの部屋に戻り,ルームサービスを頼んで,部屋のテラスで食事する.このホテルに泊まったら,絶対ピラミッドビューにするべきだろう.エジプトのワインといえば,「オベリスク」ワインで,普段のみのワインとしては,そんなに悪くない.

クフ王のピラミッド内部

ピラミッドは,外から眺め,また中に入り,2度楽しめる.中が結構面白い.

Fig.1. ギザ・クフ王のピラミッドの内部構造

地球の歩き方には,7:00にはゲートに行って,並んで待っていないととてもではないがクフ王のピラミッドの中には入れないと書いてあったので,朝 6:00に起きて,朝食を食べて 7:15 にはゲートに行く.ゲートが開くのは 8:00だ.いやらしいことに,ゲートはチケット売り場の 200m 手前にある.ゲートの横には徒歩組が何人かと,数台の車とバスがいるのみ.クフ王のピラミッド内部に入れるのは,午前150人,午後150人の計300人のみ.バス組は,ゲートが開くと,バスのまま200mを走るので,徒歩組は不利だ.こんなやり方をしなければ,チケット売り場まで競争になったりしない.素直にみんなをチケット売り場に並ばせて待たせれば良いのだ.しかも,ピラミッド地区に入るチケットをまず買い,さらにその先に進んで,クフ王のピラミッド内部に入るチケット売り場にまた並ぶことになる.ピラミッド地区入場はLE20(360円),クフ王のピラミッド入場は LE100(1800円)と高かった.


クフ王のピラミッド内部 大回廊

Inside of Great Pyramid of Khufu, Giza, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

ピラミッドの入口は,高さ 15m ぐらいの所にあり,そこまで階段を上る.昔あけられた盗掘者の入口から入る.少しまっすぐ進み,本来の入口から続く道にぶつかると,急角度で上に上っていく.道は高さ1mぐらいで,かがんで登る.息が切れたころに,急に高さ 8m の大回廊に出る.そこは吉村作治は偽扉(ぎひ)の形だ,とテレビで言っていたが,この大回廊は神秘的な感じがする.ここで,奥から帰ってきた日本人集団とすれ違う.なぜか彼女らは

みんなしてガラベーヤという民族衣装を着て,頭にヘッドライトをつけている.

そんなことをしている人は他にいないので,とても浮いているし,かなり恥ずかしい.

また高さ 1m の通路があり,石落とし装置の間を抜けて王の玄室に出る.この王の玄室はかなり大きく,黒っぽい.石はかなり隙間なくぴっちりと組まれており,精巧なつくりだ.おくには石棺が置かれている.玄室自体はかなりきれいなままだが,石棺は端が欠けており,違和感がある.この空間,石の詰まったピラミッドの中とは思えない程広々としていて,良くできている.中にいた観光客は,座って瞑想していた.そうしたくなる気持ちはわかる.とても静謐な空間なのだ.しばらくすると,突然皆立ち上がり,示し合わせて歌い始めた.先ほどのガラベーヤ集団といい,なんなんだ,ここは.

帰りは下りなので,こちらのほうが怖い.

太陽の船博物館


太陽の船

Solar Boat Museum, Giza, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

隣のカフラー王のピラミッド上部は昔の化粧石が残っている.カフラー王のピラミッドの内部は公開されていなかった.クフ王のピラミッドと,カフラー王のピラミッドの間には,太陽の船博物館がある.この木製の太陽の船は,分解されてピラミッドの脇に埋まっていたものを,14年かけて元の形に組み立てなおしたもの.博物館の中に入るには,靴の上にカバーをかけなければならないので,皆とても間抜けな格好になる.入場料 LE25 (450円).中には船が一隻あるだけだが,何気に見ごたえがある.

メンカウラー王のピラミッド内部

Fig.2. ギザ・メンカウラー王のピラミッドの内部構造

 


メンカウラー王のピラミッド玄室

Inside of Pyramid of Menkaura, Giza, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

さて,カフラー王のピラミッドのわきを抜けて,メンカウラー王のピラミッドの中へ.こちらは LE 10 (180円) と格安で,何人でも入れる.今度は,入口から地下に向かって下っていく.こちらの玄室は,棺もなく,天井がアーチになっていて少し丸い.中はあまり広くなく,あまり神秘的な感じもしない.イマイチだ.

スフィンクスが見つめているのは...


左から,メンカウラー王,カフラー王,クフ王のピラミッド

Pyramid of Menkaura-Pyramid of Khafre-Pyramid of Khufu, Giza, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

さて,最後にスフィンクスだ.カフラー王のピラミッドの前でラクダのおじさんがラクダにご飯を食べされていた.ちょうどピラミッド前の良い場所だったので,ラクダに乗って写真を撮る.LE10 (180円).おじさんはいろいろサービスしてはじめに交渉した額よりたくさん請求してきたが,無視してはじめの金額を払う.それでも少し多いか?


カフラー王のピラミッドの頂点を太陽が通る

Sun goes over Pyramid of Khafre, Giza, Egypt, Yuichiro Nakamura, 2004

カフラー王のピラミッド前のスフィンクス参道を歩き,スフィンクスへ.河岸神殿の中を抜けるとスフィンクスの斜め前に出る.さて,トリビアの泉で有名になった,スフィンクスの見つめるケンタッキーに行く.2F,3F からピラミッドを見ながらスタンダードコンボ LE 14 (250円) を食べる.このケンタッキーは,何気にスフィンクスとピラミッドが見えて眺めも良く,良い店だ.このケンタッキーはピラミッドゾーンの外にあるので,また中に入る.チケットの半券を見せたら入れてくれた.その後,会う人会う人チケットを見せろといってくる.この辺の統制のなさがエジプトらしい.

クフ王のピラミッドの東には,女王のピラミッドと,墳墓があり,墳墓のひとつに入ることができる.中には蓋つきの石棺がある.

このピラミッドゾーンを歩いていると,数限りなくラクダ引きに声をかけられる.そのたびに適当に追い払うのが面倒だ.そこら中に糞が落ちていて,臭いし.あと,

勝手にガイド攻撃

も定番だ.これは,見て回っていると,勝手についてきて,説明し始める.最後にパクシーシ(チップ)を要求してくるのだ.中には,英語も話せず,単に着いて歩いて回ってくるだけの奴もいる.それでも最後にパクシーシを要求してくるのだ.「おめー何にもしてないだろ」的なことを言うと,悲しい顔をする.その悲しい顔に負けてお金を渡してしまったら負けだ.

ホテルのプールに行く.ここはピラミッドを見ながら泳げるピラミッドビューのプールだ.日差しが強いので, SPF 50+の日焼け止めを塗っていたが,結構日焼けした.暑くなると,少し泳ぎ,またビールを飲み,酔っ払って昼寝.

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