LonelyPlanet
最後の大陸 キリマンジャロ ついに
頂上へ
サファリ! アフリカ
コラム

 


Border

 

国境を越えて再びケニヤへ.

< ついに 頂上への続き.


ジャカランダの木は10月にぱっと咲き,ぱっと散る.その木の下に人が集う.

Jakaranda tree, Namanga, Yuichiro Nakamura, 2001

 


Masai Mara
National Reserve

 

アフリカ大陸の大地溝帯の中へと

降りてゆく

 


アフリカを縦に切り裂く大地溝帯.そこにマサイマラ国立保護区がある.

The Great Rift Valley, Yuichiro Nakamura, 2001

サファリはPlanet Safari Adventure というところで,US$240/4日 でキャンピングサファリ マサイマラ国立保護区3日,ナクル国立公園1日という組み立てにした.ここはサファリに申し込むと,ドミトリーにただで泊めて貰えるのでいいかも.

サファリ1日目 マサイマラ国立保護区 Masai Mara National Reserve

9:30 になって,Lnad Cruiser (ランクル) が迎えにきた.一緒に行くメンバーをみて,しまった,と後悔する.カップル2組+筆者という組み合わせだ.これでは僕の居場所がない.とりあえず適当に挨拶する.堅めのドイツ人カップルは,ひたすら堅い話をしており,軽いイスラエル人カップルは,最後までいちゃいちゃしていた.

ランクルはかなりの年季モノで,一生懸命直して使っている感じ.かなりのスピードで西に向かう.速度が何km/hかは良くわからない.

なぜなら,スピードメーターが壊れている!

道はまぁまぁしっかりしている.そのうちNakuru 方面と分岐したところで,だんだん道は穴ぼこが目立つようになる.ドライバーはそれを注意深くよけながら走る.分岐してすぐ,がけ沿いの道になる.眼下にサバンナが広がる.すごい.この巨大な溝 - 大地溝帯に動物たちが住んでいるのだ.溝の中に下っていく.溝の中にも街があって,人がすんでいる.しばらく行くと,シマウマの群れがいた.ついに,サファリだ.


マサイ族のガイドが視力 6.0 の目で動物を探す.

Masai Guide, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

13:00に昼食をとり,ついでにタイヤの交換をする.その後道のようで道でないところを2時間ほど走る.小川もいくつか越えた.そのあとはひたすら悪路.国立公園内に入るとすぐ Planet のキャンプサイトだ.キャンプ場の入り口を開けたのはマサイ族だった.マサイ族はこういう俗世間の仕事はしない誇り高き人たちだが,時折こういうところで働いている.キャンプサイトはたくさんのテントが囲いに沿って円形に張られていて,中心に焚き火のできるあずま屋がある.あとはトイレ,シャワー,食堂がある.まぁ快適だ.

16:30,少し雨が降ってきたが,初 Game Drive(動物を見に行くこと) に出発.いきなりライオンの親子がいる.すごい.ライオンのメスに子供がいるが,とくにこちらを気にするでもなく,のんびりと歩いている.子供はやんちゃに遊んでいる.いきなりすごい.


ライオンのオスがのんびりと歩く.

Lion/Simba, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

オスのライオンが寝ている.みなで見学していたら,あくびしたり,伸びをしたり,サービス満点だ.眠りを邪魔された彼は,何度かうねり声を上げた後,歩き去っていった. Game Drive のルールにより,道を外れて動物を追いかけてはいけないことになっている.


巨大なバッファロー

Buffaro/Nyati, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

バッファローの群れがこちらを見ている.


アフリカ象の親子

Elephant/Tembo, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

象を発見.遠くて良く見えないな,と思っていたら,違う群れが出現.森の中からぬーっと通過していく.やはり、僕としては象が一番だ.親象,子象,すごい存在感を持っている.アフリカの森の中を,ゆっくり,ゆっくり,のっし,のっしと移動していく.牙が白く光る.その森の先に目をやると,キリンの群れが木の上に頭をのぞかせている.それにしても,なんというところだろう.こんな動物たちが,こんなにも間近に普通に暮らしているとは.彼らは彼らの生活を普通に送っていて,「じゃまな奴が来たなぁ」という程度だ.

他にも, ブチハイエナ,トムソンガゼル,シマウマ,トピなど,これだけ豊かな生態系がこんなに簡単に見られるのは,これが普通のことなのか,ここが特別なものなのか,と考えさせられてしまう.1h30mぐらいして,十分満足のいくGame Drive ができた.キャンプサイトにもどって,はらぺこで待っていると,19:00から夕食.トマトスープ,インゲン,キャベツ,ビーフシチュー,ライス.周りから,かすかな動物の声が聞こえてくる.真っ黒な夜がやってきた.22:00に寝る.


ヌーの群れ

Western White-bearded Widebeest/Nyumbu,
Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

サファリ2日目 マサイマラ国立保護区 Masai Mara National Reserve

あさ6時に起こされる.鳥がぴちぴち鳴いていた.トイレがゆるい.この旅行の間,ずっとゆるいままだ.水のせいか,ここの雰囲気のせいか.

シャワーを浴びてみた.冷たい.ここは夜は火がたいてあって,ドラム缶の中の水が温められ,ホットシャワーがでる仕組みになっている.もちろん電気,水道,ガスいずれもないので,水なんかどうしているのだろう.朝食にパン,豆,目玉焼き,野菜を食べる.7:30にまた Game Drive に出発.今日は Full Day Game Drive.雨も上がって,屋根も全開だ.見られるのは,ライオン・ゾウ,バッファロー,トムソンガゼル,ダチョウ,基本的に昨日と同じだ.チーターを目指すが,はたして.昨日より遠くまで行っているので,より開けたところでヌーの群れにであった.とにかく草食動物はたくさん群れている.


Hipo Pool のカバの群れ.

Hippopotamus/Kiboko, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

しばらくぐるぐる回った後,11:30に Hippo Pool に到着.ここは,その名のとおりカバがたくさん休んでいるところで,水からあがっているのもいれば,水の中から鼻だけ出しているのもいる.みなのんびりしている.基本的にこの国立保護区内では車から降りることが禁止されているが,ここは車から降りることができる.川べりにカバのそばに近づく.カバは何も考えていないように見えるが,カバもカバなりに考えているらしく,たまにけんかしている.


妙な座り方をするサバンナモンキー

Savannah Monkey/Tumbili, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

サバンナモンキーが愛らしい様子を見せる.ちょっと人間になれ過ぎ.


カバの親子.

Hippopotamus/Kiboko, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

カバの前にミニカバが鼻を出している.カバの親子だ.


カラフルなトカゲ

Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

 


国立保護区の木下でランチを食べる.ライオンはこないのかは不明.

Lunch Time, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

その後橋を渡って平原の中に一本立つ木の下で車をとめる.敷物を広げてみなで車を降りて昼食だ.これはとってもすばらしかった.周りは地平線までずっとサバンナだ.


猫っぽいしぐさをするライオンの雌.

Lion/Simba, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

昼食に満足したあと,また Game Drive.16:00にはキャンプサイトに戻って,そのままマサイの村へ行く.


マサイの村を訪れた.歓迎の歌を歌ってくれた.

Masai Village, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

このマサイの村の訪問は,あとでとっても後悔することになる.基本的にマサイ族は誇り高い民族だ.俗世間とは程遠い生活.ライオンの暮らすサバンナの中での動物たちとの共生.国境も彼らはフリーパスだ.牛を飼い,その血を主食とする.

マサイの村は,木の枝で囲われていて,一カ所だけあいている.そこが出入り口だ.中に入るとすぐに,牛の糞のにおいだ.見るとそこかしこに糞が落ちている.彼らの家は,糞を固めて壁にしている.50m四方ぐらいに180人,7家族が住んでいるという.歓迎の歌を歌ってくれた.


妙なポーズをとるマサイの男性

Masai Village, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

家を案内されたのち,家の裏へ.みやげ物が並べられている.普通マサイは写真をとられることを極端に嫌うらしいが,ここは自由だ.違う.違うのだ.ここのマサイはマサイではないのだ.

マサイを見たい一方で,観光地化したマサイを軽蔑する自分がいた.世俗にまみれるのは仕方がないかもしれない.でも,そこを筆者が訪れる必要はないのだ.いまでも昔ながらの生活をしているマサイは存在するはずだ.彼らも,僕らが帰ったらまた普通の生活に戻るのだ.なんか日光江戸村の人を見ているみたいで,一刻も早く立ち去りたくなってしまった.くる前は「ジャンプして」って言ってみようとか思っていたのだが,そんなのどうでもよくなった.またGame Driveをして,夕食を食べて寝る.

マサイの村を訪れるにあたって,Rs500(US$1)をドライバーに払った.


キリンがすっくと立ってこちらを見ていた

Giraff/Twiga, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

サファリ3日目 マサイマラ国立保護区 Masai Mara National Reserve

今日は朝起きてすぐに Game Drive に出発.まだちょっと暗い.いつものライオン,キリン,シマウマなどをひとしきり見てまわる.全く彼らは何度見ても面白い.たしかにライオンを見ても,「あ,ライオンか,ふーん」という感じでなれてきたが.やはり見るたびに新しい発見がある.彼らは僕らが近づくとちらりとこちらを見て,しばらくするとどうでもよいといわんばかりに普通の表情に戻る.


草原の真中でたたずむシマウマ

Zebra/Twiga, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

昨日までのドライバーは「道以外は絶対走りません」というまじめなルール遵守だったのだが,今日は「どこでも突き進むもんね」というドライバーで(注意: 道以外を走ると公園を管理する人に怒られます.)草原だろうが,林の中だろうが動物がいそうだったら突き進み,木の間もバキバキ進むもんだから,タイヤに木の枝がはさまっているところを公園管理の人に見つかってばつが悪そうだった.


シマウマ

Zebra/Twiga, Masai Mara N.R., Yuichiro Nakamura, 2001

サファリは旅行会社によって違うし,ドライバーによってももちろん違う.システマチックにことが運ぶことはありえないこの国ではルールらしきものもない.「8時出発」が9時になっても普通なのだ.そこで重要なのは人のコミュニケーションだ.これはとっても疲れるので,「○○まで切符1枚」っていったら自動的に○○まで連れて行ってくれる日本とは根本的に違う.アフリカ人どうしでこれをやっているなら話は別なのだが,ガイドは数日間のツアーならその時間中ずっと接しつづけることになる.ここには「友達」と「ビジネス」の境界線があるはずだが,システムを体験したことのない(どころか,そういう世界があることが想像だにしていない!)彼らは欧米式のビジネスをしながら,アフリカ的に接しようとするので,たまに欧米人を怒らせるのだ.今回も,イスラエル人カップルは結構怒っていた.関係ないけど,どうも現地の言葉は余り正確な会話に向かないらしく,だんだん複雑な話になると,いきなり英語にスイッチして会話を行う.どの辺がどのようにあいまいなのかしつこく聞いてみたのだが,どうも良く理解できなかった.

さて,車はナクル Nakuru 湖へとひた走る.行きは町から大サバンナだ.だが今回はサバンナから町へ.退屈なので,バックシートで横になってぐーぐーねる.昼食ポイントで車とドライバーの交換をした.またそこにもお土産屋が.彼らと会話をするのはいいのだが,みな一様に「ペンちょうだい」「コインちょうだい」はてには「日本の靴下ちょうだい」うーむ.大人がこれをやっているのをみて.子供の中には同じように「ペンちょうだい」「写真をとるならKs20」と毒されているのがたくさんいる.

なんか一緒にいたフランス人女性となぜか環境問題について話し込んでしまった.

宿には陽気なオランダ人が泊まっていた.彼らと一緒にナクルの町のクラブにいく.


Lake Nakuru
National Park

 

ピンクのフラミンゴで有名な湖.

 


 

Baboon/Nyani, Lake Nakuru N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

サファリ4日目 ナクル湖国立公園 Lake Nakuru National Park

寝坊した.昨日騒ぎすぎたかも.たたき起こされたので必死で準備して飛びだすが,オランダ人たちはみなまだ朝ご飯中だった.もちろんドイツ人カップルは完全に準備が完了した状態で待っていた.

ナクル湖国立公園は,一言で言うときれいで心地よい.マサイマラはわりと荒涼としていて,住むのがつらい弱肉強食の世界に感じるが,ここナクル湖はのんびりとした雰囲気だ.ライオンもいるが,彼らものんびりしている.ここで初めてサイを見るが,彼らものんびりしていた.


 

Flamingo, Lake Nakuru N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

それでもやはり,ここのメインはフラミンゴだ.湖の周りに沿って.真ピンクの帯ができている.フラミンゴは人間が近づくと一定の距離をおいて逃げるので,いつまでたっても近づくことができない.まさに昔 Sony の HandyCam のCMで使ってい風景そのものだ.


 

Ostrich/Mbuni, Lake Nakuru N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

ダチョウもいる.ダチョウはつがいでいることが多い.


 

White Rinoceros/Faru, Lake Nakuru N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

このナクル湖国立公園は,サイが簡単に見られることでも有名.


 

White Rinoceros/Faru, Lake Nakuru N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

サイの群れの一頭がこちらを向いている.彼らが襲ってきたら危険な距離だ.ここは非常に満足のいくサファリができた.


Nairobi

 

旅行の終わりをケニヤ式の

焼肉でしめる.

 


 

Nyoma Choma, Sagret Nyoma Choma Place, Nairobi, Yuichiro Nakamura, 2001

ナイロビに戻って,宿の人を誘ってニョマチョマ Nyoma Chomaを食べに行く.これはバーベキューで,まさに肉を焼くだけ.味付けは何もないので,塩を自分でつけて食べる.肉は硬く,でもかんでいるとだんだん肉の味がしてくる.慣れてくると割とおいしい.しかし肉が硬いので,いつまでもくちゃくちゃ肉をかんでいることになる.こういう肉本来の味を味わうのは初めて.だんだんと肉の味の素朴なおいしさがわかってきた.一緒に言った人はすでに80歳で,もう海外旅行の保険が利かないという.しかし,そのおじいさんもしっかりこの肉を食べていた.

しかし肉が硬い.次の日はあごが筋肉痛になっていた.

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