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期間 | 4/30 2005-5/9 2005 |
通貨 | YTL 1 = 78YEN (2005) |
航空会社 | British Airways |
渡航費用 | マイルで無料 |
滞在費用 | US$1000 (Air+hotel+Activity) |
国柄 | 歴史あるでかい国 |
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2005/04/30 | BA676 | London Heathrow | 9:15 | - | Istanbul | 15:40 | 3h45m | |||||
TK264 | Istanul | 18:15 | - | Kayseri | 19:40 | 1h25m | ||||||
Minibus | Kayseri | - | Urgup (Cappadocia) | |||||||||
2005/05/01 | Tour | Ballon Flight | ||||||||||
Tour | Underground city | |||||||||||
2005/05/02 | Goreme - Uchisar - Rose Valley | |||||||||||
2005/05/03 | Minibus | Urgup (Cappadocia) | - | Kayseri | ||||||||
TK261 | Kayseri | 10:55 | - | Istanbul | 12:15 | 1h20m | ||||||
TK324 | Istanbul | 13:00 | - | Izmir | 14:00 | 1hr | ||||||
Bus | Izmir | 16:00 | - | Kusadasi | 17:15 | 1h15m | ||||||
2005/05/04 | Efes - マリアの家 - アルテミス神殿 - 聖ヨハネ教会 | |||||||||||
2005/05/05 | Bus | Kusadasi | 08:30 | - | Denizli | 11:45 | 3h15m | |||||
Bus | Denizli | 12:00 | - | Karahayit(Pamukkale) | 12:30 | 0h30m | ||||||
2005/05/06 | Bus | Denizli THY Office | 17:45 | - | Denizli Airport | 19:00 | 1h15m | |||||
TK239 | Denizli | 20:05 | - | Istanbul | 21:15 | 1h10m | ||||||
2005/05/07 | Istanbul | |||||||||||
2005/05/08 | Tour | Bosphorus cruise | ||||||||||
2005/05/09 | BA677 | Istanbul | 17:10 | - | London Heathrow | 19:10 | 4hrs | |||||
total
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18h55m |
■トルコへ
BA676 London Heathrow 9:15 - Istanbul 15:40 3h45m
果たして,トルコはヨーロッパなのだろうか.それとも,中東アジアなのだろうか.EU加盟を目指しているから,ヨーロッパの仲間入りをしたいのだろう.「アジアとヨーロッパをつなぐ」と良く言われる.これはスルタン・マホメット2世による,西暦1453年のコンスタンチノープル(現イスタンブール)の陥落によってなされたといえる.そもそも,トルコがどういう国なのか,知っているだろうか?私にとって,トルコのイメージは,上野公園に集まるトルコ人,道端の露天で売られるドネル・ケバブ.申し訳ないが,余り良いイメージではない.しかし,「イスタンブール」と聞くと,何かどきどきする魅力を感じてしまう.
朝6:30におきて,防犯用のタイマーをセットする.空港まで友人に送ってもらう.とにかく初日は,カッパドキア Cappadocia まで移動するだけの日なので,空港のラウンジに直行して,ガイドブックを念入りに読む.ロンドン London からイスタンブール Istanbul へのフライトは,約4時間.飛行機のシートピッチも,ヨーロッパ線よりはゆったり.機内食も軽食ではなく,ステーキがしっかり出てきた.
飛行機の中では,観光客らしい女性3人組が,ロンリープラネット-以下ロンプラ(http://www.lonelyplanet.com/)に山ほど付箋をつけて旅程を議論している.トルコはとても大きい国だ.日程を決めるのに結構悩んだ.トルコではバスでの移動が一番良く整備されている.しかし,12時間以上もバスの中で過ごしたくはない.そこで,相当割高になるが,可能な限り飛行機を使うことにした.トルコ航空(http://www.thy.com/)で予約可能だが,運賃は予約時ではなく,発券時に確定する.インフレの激しい国なので,どんどん値段が上がっていくのだ.そこで,現地の旅行会社を通じて発券し,自宅に送ってもらうことにした.使った旅行会社は,Kirkit Voyage社(http://www.kirkit.com/).レスポンスも早く,丁寧だった.ホテルやツアーも頼める.
さて,飛行機がイスタンブール Istanbul に到着.国際線は,きれいな新しいターミナルに着く.日本人はそのまま入国できるが(2005年5月),イギリス人や,アメリカ人は,VISA代と称して金を取られる.どこにもそのことは書かれていない.彼らは入国審査の長い列を並んだ挙句,追い返されていた.私の番が来た.パスポートを見るなり,何も言わないで「バーン」とはんこを押す.入国完了.
国内線のターミナルはすぐ隣で,つながっている.Transfer 用のカウンターで,荷物を預ける.国内線のターミナルは小さく,セキュリティをくぐるとすぐにゲート.余りにスムースに進んだので,時間はたくさんある.しかし,ターミナルには何もない.小さいパブに入り,チャイを頼む.空港価格で異常に高い.水500mlでYTL2.50(195円),チャイYTL5(390円).2005年にデノミ(通貨の0をはずして信頼感を増す措置)をしたばかりなのだ.TL1,000,000=YTL1となった.それまでは,
水1本 1000000リラ,国内線チケット代が,12000000リラ,
など,いったいいくつ0をつければよいのかわからない状態だった.銀行レートは1Euro=YTL1.76ぐらいなのだが,観光客相手の商売では,1Euro=YTL1ぐらいの値付けをしようとしている.これがデノミの効果というものだろう.さて,パブで周りを見渡すと,男性しかいない.やはり女性はこういうところには来ないお国柄なのだろうか?
Kayseri
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■さらに飛行機でカイセリ Kayseri へ
TK264 Istanul 18:15 - Kayseri 19:40 1h25m
Minibus Kayseri - Urgup (Cappadocia)
カイセリ Kayseri に向かうゲートに行くと,観光客は余りいない.ほとんどはローカルの人たち.搭乗が始まると,皆どっと押し寄せ,列にならず,我先に乗り込む.機体はBoeing 737 だが,シートピッチがきつく,おまけに隣の人が太めだったので,やけに窮屈な態勢で1時間半弱のフライトを過ごす.しかし,隣のトルコ人はどうも日本語を話すらしいので文句も言えず,じっと耐えた.イスタンブール Istanbul は雨が降っていたが,窓の外を見ると,だんだん夕日になり,カイセリ Kayseri に着くころにはすっかり晴れていた.イスタンブールから 600km.機内食はサンドウィッチ.
カイセリ Kayseri 空港はとても小さく,荷物のターンテーブルも短い.その分すぐに荷物が出てきた.みな荷物をしっかり紐でくくっているところを見ると,良く壊れるのだろう.迎えのミニバスでホテルまで向かう(US$10=1100円).実はここからまだカッパドキア Cappadocia まで結構ある.この国では,飛行場の配置と観光地が一致していないのだ.ミニバスの客は5組.運転手は英語が話せず,無言で出発.真っ暗な道を100km/h以上のスピードで飛ばす.
道は片側2車線ですいているので,車線をまたいで真ん中をずっと走っていた.1時間以上も走り,客がだんだん心配になってきたころ,左に曲がってユルギュップ Urgup へ.村は店がちらほら,車1台がやっと通れる幅の坂を上っていったところにホテルはあった.
Urgup, Cappadocia 何でこんな形の岩が? |
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ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟,1985/12/06,自然遺産/文化遺産
■カッパドキアの洞窟ホテルに泊まる
洞窟ホテル
Elkep Evi, Urgup, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
ホテルに着いたころには,すっかり暗くなっていた.すぐにレセプションから人が駆け寄ってくる.彼はマイケル富岡に似ている.名前は Elgir.このホテルで英語が話せるのは彼だけだ.何でも彼に話をしないと話が進まない.今回は,カッパドキア Cappadocia の洞窟ホテル Elkep Evi (http://www.elkepevi.com/) を予約した.一泊一部屋 US$80(8,800円). 岩壁をくりぬいた洞窟がライトアップされていてきれいだった.
洞窟ホテルの部屋
Elkep Evi, Urgup, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
さて,1Fの部屋は意外と広く,2部屋続き.ベットもキングサイズのダブルベットと,シングルのベットが2つ,さらに,ベビーベットまであった.中は暖房が効いていて暖かい.トイレとシャワー,バスタブもあり,くりぬいた穴の壁が白くて明るい.新しく,とてもよい部屋だ.2Fも見せてもらった.こちらはテラスがあるが,岩壁が上に行くほど斜めになっているので,奥行きがとれず,狭い.広さをとって1Fにしてもらう.
すぐにレストランに行く.こちらは庭があるのだが,5月の時点では寒くて使えなかった.20人ぐらい入れる石造りのレストランで食事ができる(US$10=1100円).メニューはなく,お任せのコースメニューのみ.座るといきなりスープが運ばれてくる.レセプションの人が,やけにプライベートツアーを勧めてくるが,一人当たりUS$75/一日(8,250円)もするので断り,タクシーをチャーターして回ることにする.
■カッパドキアで熱気球に乗る
朝4時半に起きる.まだ薄暗い.眠い目をこすりながら着替える.朝5:10には迎えのミニバスが来て出発する.天気は曇ったり晴れたりの繰り返し.昨日は雨でフライトがなかったので,今日のフライトは満員だ.参加したカッパドキアバルーンズ (http://www.kapadokyaballoons.com/) は1994年からある一番古い会社.最近になって,他の会社も参入して複数の会社があるという.1時間半のフライトで,一人210Euros(28,350円).
コーヒーを飲みながら,自分の気球の準備ができるのを待つ.寒いので,ショールを貸してくれる.気球は2つあり,イギリス人のしっかりめの妻と,スウェーデン人のおとなしい夫が1機ずつ担当.乗り込み方,着地したときの姿勢について,簡単なレクチャーをする.まず風を入れて膨らまし,熱気を入れて立ち上げる.定員12名のカゴにすばやく乗り込む.乗り込むと,バーナーを強めて浮力を上げ,上昇開始.
熱気球がたくさん飛び交う
Hot Air Ballon, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
動力はないので,音は全くない.風もなく,垂直に上がっていく.フライトはまず地上すれすれの所を飛行.そしてカッパドキアの奇岩の壁ぎりぎりのところをすり抜けていく.この飛行は11年のキャリアのなせる業だろう.熱気球は,上下方向はバーナーの加減で制御できるが,前後左右は風任せだ.風はもちろん目では見えないので,それを敏感に感じ取るのがパイロットの腕の見せ所.そしてバーナーを入れて高度を上げ,地上1000mからカッパドキアの風景を眺める.バスケットの下を見ると,Vision Valley, ウチサラ城 Uchisar castle,キノコ岩 Fairy Rocks とすべてが眼下にあり,カッパドキアの景観を高さを変えながら堪能できる.しかし,寒い!パイロット夫婦は無線で通信し合っている.おとなしい夫はくだらない冗談ばかり言い,しっかりした妻は無視して夫に指示を出す.また高度を下げると,ちょうど熱気球が入れるぐらいの岩の裂け目の穴の中にすっぽりと入って見せたり,とがった岩の脇を,手が届くぐらいすれすれに飛んだり,楽しませてくれた.
熱気球が岩すれすれを飛ぶ
Hot Air Ballon, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
最後は,トレーラーの上に直接着陸.お見事.ここでしか見られないカッパドキアの景観が見られるし,岩すれすれのフライトがすごい.フライト後,熱気球フライトにはつき物のシャンパンが振舞われて終了.
Underground City, Cappadocia ありんこ要塞 |
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■地下都市に潜る
カッパドキア Cappadocia の見所はそれぞれ離れたところにあるので,ツアーに参加するか,タクシーをチャーターするしかない.明確なプランが無いと,宿の人から,村の人から
「今日はどーするんだ,明日はどーするんだ,何でおれの勧めるこれに参加しなんだ」
といわれ続ける.昨日はそれに負けてタクシーをチャーターすることにしていた.しかし,熱気球のフライトで知り合った日本人にツアーを紹介してもらい,地下都市を含む1日ツアーに参加 (US$35=3,850円)することにする.タクシーのチャーターを断り,9:10にピックアップされて出発.
まずは Vision Valley に行く.カッパドキアのカッパドキアらしい景観だ.このような変な形は,2層の固さの違う溶岩が侵食され,侵食される際に溝ができると,その溝を水が流れるようになり,その水によって溝の侵食が加速される.その残ったところの下がさらに侵食されていき,最後に塔のように突き立った岩が残る.もともと2層になっていたので,上の層が帽子のように塔の上に残るのだ.
デリンクユの地下都市
Underground City, Derinuyu, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
地下都市の中で有名なところは2つ.ひとつはカイマクル Kaymakli,もうひとつはデリンクユ Derinkuyuだ.行ったのはデリンクユ Derinkyu のほう.地下7階まであり,40,000人が暮らせたという巨大な地下都市だ.中はとても入り組んでいて,いったい自分が地下何階にいるのかわからなくなる.地下2階にキッチン,ずっと下りていって地下7階に墓があったり,目的別にいくつもの部屋がある.学校や教会など,社会的な機能は確かに見られるが,肝心の寝室やトイレなどが見当たらない.4000年前から人が住んでいたとも言われ,相当に年月をかけて作られたものだ.外敵から身を守るために作ったといわれるが,本当にそうだろうか?残っている文献が全くないため,考古学者があれこれ想像力を働かせているが,謎は深まるばかりだ.中央には通気シャフトが垂直に通っている.一番下の階層から上を覗くと小さい空が見える.部屋と部屋をつなぐ通路はかがんで中腰で通る.薄暗い明かり.かびたにおい.ガイドとはぐれると,どちらが出口かわからなくなる.地上が恋しくなる.
マスのギュヴェチ
Ihlara Valley, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
地下都市のあとは,ウフララ渓谷 Ihlara Valley に向かう.このあたりは川に沿った散歩道.ここをハイキングする.まずレストランが1つあり,そこで食事をする.パンは中身のない薄いパンで,モチモチしていておいしかった.スープは酸味のきいた独特の味で,パンに良く合う.メインはマスのギュヴェチと呼ばれる,蒸し焼きを食べる.魚が食べられるとは思わなかった.意外に新鮮でおいしい.
雨はついに雪になり,ハイキングどころではなくなる.食事の後はハイキングの予定だが,この天気の中を苦行のようなハイキングが待っているかと思うと,みなその話題を避けている.食べ終わって外に出ていた人も,すぐレストランのストーブの前に戻って動かなくなる.
ついにガイドが「ハイキングに行きます」と宣言.ざわつく人たちを無視し,歩き始める.レストラン脇の川沿いの道を少し登ったところにDirekli Kilise という寺院がある.岩をくりぬいて作られた教会へは,道を外れて少し登らないとたどり着けない.寒くていやになっていたので半ばヤケクソ気味に登っていくと,岩窟は割りと広く,20畳ぐらいはある広間があり,さらに同じ大きさぐらいの部屋が奥にある.ビザンチン帝国時代の壁画が残っている.漆喰の上に書かれたフレスコ画は,だいぶトルコ人にはがされてしまったが,いくつかの画は今でも残っている.決してレベルの高い画ではないが,この岩窟の中で何世紀も残っていたと思うとなかなかだ.
Selime Katedrali, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
次はSelime Katedrali.ここはスターウォーズの撮影にも使われたという触れ込みだ.とがった岩の連なる中がトンネルでつながっている.上に登るとやはり教会がある.この岩の中に作られた空間が不思議な世界を感じさせる.自然の作り出した塔は,緑の苔で覆われ,その岩の中の部屋から顔を出すとカッパドキアの風景が見渡せる.ギョレメ Goreme 周辺よりもずっと良いところだ.このカッパドキア地区で一番気に入った.
パシャバーのキノコ岩
Fairy Rock, Pasabag, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
アスラムサライの隊商宿,さらにこのあたりの陶器を作っている窯元を回って,最後にパシャバー Pasabag のキノコ岩 Fairy Rock に寄る.キノコ岩は本当に不思議.口でいくら成り立ちを説明されても,この形が自然にできるとはどうしても信じられない.
カッパドキアで見かけた女の子
Urgup, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
Goreme, Cappadocia カッパドキア観光の中心 |
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■ギョズレメと伸びーるアイス
遅くまでゆっくりと寝る.外では鳥が鳴いている.すっかり夜は明けて,外に出ると晴れた空の下,カッパドキア Cappadocia の奇岩が日に照らされている.朝食にはギョズレメ Gozleme と呼ばれるチーズ入りのパンケーキ,野菜,オリーブ,オムレツ.充実した朝ごはんだ.ここの従業員は,とにかく「Thank you」といわれたら,必ず「You're welcome」といいなさい!と教育されているらしく,必ず教科書どおりの回答が返ってくる.
ギョレメ野外博物館
Goreme Open Air Museum, Goreme, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
朝食を食べ終わって外に出ると,曇っていた.本当に天気がころころ変わる.ギョレメ野外博物館 Goreme Open Air Museum(一人YTL12=936円) にタクシーで行く.タクシーの運転手はしきりに他の場所など勧めてくるが,後でね,と言い残して降りる.
カランルク・キリセの壁画
Goreme Open Air Museum, Goreme, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
少し晴れてきた.ここは岩窟の教会がいくつも集まっているところで,塔のようになった岩をくりぬいて作られている.中には壁画が残っており,有名なものには団体客が列を作っている.どこまでが自然にできたもので,どこからが人工のものかわからない穴が無数に開き,トンネルや階段で結ばれている.岩をくりぬけばそのまま建物になる,という手軽さはあるが,その代わり一回掘ったらやり直しがきかないし,良く考えてから作らないと,崩れたり,アクセスできない場所になってしまったりする.あまり複雑な構造は作れないようだ.それでも,入場に別料金(YTL5=390円)が必要なカランルク・キリセ Karanlik Kilise は2Fがあり,壁に装飾が彫り込まれている.中には壁一面の壁画が描かれている.この壁画はキリストについて描かれているが,正十字なので東方正教会のものであろう.12-13世紀のものだと説明書きに書いてあった.この教会の壁画が一番優れていて,細かくキリストの誕生から最期まで順に描いてる.このような教会を順に見ていくと,2時間はゆうにかかってしまう.晴れてくるとコントラストが上がってより美しい.この教会群は,谷の斜面の片側に作られている.キッチンや集会所はあるが,生活する空間がない.反対側の斜面には住居跡と見られる穴がいくつもある.全体としてひとつの村のようになっているのだ.
のびるアイスクリーム,ドンドルマ
Dondorma, Goreme, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
野外博物館を出て,お土産屋をのぞいていくと,
「のびるアイスクリーム」
の看板.これだ.ドンドルマと呼ばれるアイスだ.店の人に「伸びるの?」と身振りを示すと,店の人がこねながら伸ばして見せてくれた.本当にアイスが伸びる!もちっとした「歯ごたえのあるアイス」(YTL1.50=117円).
トカル・キリセ
Tokali Kilise, Goreme, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
野外博物館からギョレメ Goreme に歩いていく途中,トカル・キリセ Tokali Kilise と呼ばれる青が印象的な壁画のある教会がある.ここは野外博物館と入場券が共通.
さらにギョレメ Goreme の方に歩くと,Hikmet's Place の Cafe の奥に,サクル・キリセ Sakli Kilise と呼ばれる隠れた教会がある.この教会は坂を登った上にあり,誰もこないところにあるので,静かな時間を過ごせる.ここを登ったところから見る景色はすばらしい.三角にとがった岩が2つあり,その上に登るには,垂直にあけられた穴をよじ登る必要がある.バックを置いて身軽になり,息を切らしながら登ると,その上からはまた違った景色が見られる.
洞窟カフェのおじさん
Cave Cafe, Goreme, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
カフェに戻り,穴ぐらの中のカフェで昼食をとる.「何が食べられる?」と聞くと,ギョズレメ,ピザ,オムレツ,といくつか挙げてきた.しかし,良く聞くと,「ギョズレメ Gozleme 以外はギョレメ Goreme の友達が配達してくれるので,時間がかかるよ」,などとのんきなことを言う.ギョズレメ Gozleme とチャイで YTL2.50(195円).
ギョレメの入口
Goreme, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
ギョレメ Goreme の村の入口は,やはり奇岩の間の道を抜けていく.すると,少し開けたところに出る.奇岩の塔がそこかしこに立っている.奇岩のひとつはホテルになり,違うひとつは Cafe になり,という具合だ.ギョレメのATMでお金を下ろし,またタクシーを拾ってウチヒサル Uchisar に向かうことにする.
Uchisar, Cappadocia 奇岩に掘り抜かれた城 |
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ウチヒサル Uchisar はカッパドキア Cappadocia の中でも小さい村だが,その中心にある岩山には穴が開けられ,まるで岩で作られた城のようにそびえ立っている.カッパドキア Cappadocia のどこからも良く見える.中心の岩の城は,周りに石段が付けられ,上まで登っていける.
ウチヒサル城からの眺め
View from Uchisar Castle, Uchisar, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
頂上にはトルコの国旗が掲げられている.周りにさえぎるものが何もないため,絶景だ.熱気球を除いて,ここまで見渡せるところは他にない.人も余りいない.
チャイ
Chai, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
タクシーでそのままユルギュップ Urgup まで戻る.ユルキュップのチャイハネ(チャイ屋)に入り,ミルクプディングとライスプディングの中間のようなものと,ミルフィーユを頼む.トルコのデザートというと,脳までしびれるような甘さのものばかりだが,この店のは甘さも控えめでちょうど良い.店もおしゃれでトルコ人カップルが何組かいた.
ローズ・バレー
Rose Valley, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
天気はだんだん下り坂だが,どうしても夕日が見たい.カッパドキア Cappadocia は天気の変わるスピードが早いので,これでも晴れるかもしれない.ローズバレー Rose Valley の夕日スポットに行く.ローズバレーは赤土の露出したところで,やはりカッパドキア風に塔のようにとがっている.駐車場から 500m 下ったところに教会がある.半ばヤケクソ気味に,雨の中を向かう.しばらくいくと茶店があり,教会とワイナリー跡があった.教会には多少壁画が残っている.しかし,雨はあられに変わり,夕日どころではなくなってきた.
テスティ・ケバブ
Testi Kebab, Urgup, Cappadocia, Turkey, Yuichiro Nakamura, 2005
タクシーの運転手は,どうしても自分の「おすすめ」のレストランに連れて行きたがる.タクシーなんだから,客の行きたいところに行ってくれよ.Hanciragan Restaurant へ.石造りのきれいなレストランだ.店の前に壺がおいてある.指差して,「これなに?」と聞くと,「ケバブ」との返事.ケバブといったら,串焼きになっている肉のことだろう,と思い,もう一度聞くが,やはり
「この壺はケバブである」
と断言する.
通じなかったか,と思いながら中へ.オードブルは大皿の中に並べられている中から選ぶ.ガーリックヨーグルトに漬けられたナスと,さらにナスの和え物をとる.ナスばかりだが,トルコのナス料理はなかなかおいしいので,はずれの料理を取ってしまうよりましだ.メインには,テスティ・ケバブ Testi Kebab を頼む.
料理が運ばれてきて,納得.先ほどの壺に入ってくる料理こそ,その「テスティ・ケバブ」であった.この料理は,しっかりと壺のふたをした状態で蒸し焼きにし,食べるときは壺の口をなたで割って開ける.カッパドキアの名物料理だ.羊肉だが,良く煮込まれていておいしかった.
カッパドキア Cappadocia 最後の朝.朝食を食べに外に出ると,熱気球がいくつも飛んでいた.その気球が上がったり下がったりするのをしばらく眺め,レストランへ.今日はジャガイモ入りのギョズレメ.最後にチェックアウトだが,マイケル富岡似の Elgir が,何度も計算を間違えるので,最後は計算してあげた.このホテルの客とのインターフェースをすべて受け持っているので,いつもいっぱいいっぱいだ.でも,いいやつだ.彼はトルコのお守りをお土産にくれた.
妻が持っていた女性誌に目をとめ,見せてくれというので渡すと,
「これ,本当にあなたの雑誌?だんなのじゃないの?」
と信じられない表情.確かにそういう観点で見ると,下着や,シースルーの服を着た女性が,なまめかしい表情で写っている.いやいや,確かに私のではなくて,男用の雑誌はもっとすごいんだぞ,と自慢する.彼はなおも目を丸くして雑誌をめくっている.
ミニバスで空港へ.空港まで1時間以上かかる.これだけへんぴな所にカッパドキアがあるというのも,良いところのひとつなのかもしれないな,と最後に思う.さて,次はローマの遺跡だ.
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