LonelyPlanet
最後の大陸 キリマンジャロ ついに
頂上へ
サファリ! アフリカ
コラム

 


Entering Tanzania

 

ケニヤからバスでタンザニアに入る.

モシの街がキリマンジャロのゲート.

朝4時ごろホテルの外の通りの音が余りにうるさいので目を覚ます.そのままうとうとしていると,6:10 にモーニングコールがかかってきた.お願いしていたのは6:30なので,いくらなんでも早すぎると思うのだが,これがアフリカってもんか.バスに乗って,タンザニアの国境を目指す.ナイロビ Nairobi を出ると,すぐに地平線までサバンナになり,たまにマサイ族が牛をゆったりと遊牧されている.マサイ族は赤い布をまとっているので,どこにいるかすぐにわかる.褐色のサバンナに,赤いアクセントのようだ.

道はきちんと舗装されていて,たまに尻が 5cm 飛び上がるぐらいで,かなり快適だ.メーターを見ると,80km/h ぐらいのスピードでタンザニアへ向かっている.国境のナマンガ Namanga は,フェンスが一応あるぐらいの緩やかなもので,なおかつマサイ族は通過自由なので,緊張感もなく,ビザなしの人も紙切れ一枚ですぐに入っていけた.


マサイの集まる街.

Near Moshi, Yuichiro Nakamura, 2001

タンザニアに入ると,尻が飛び上がる回数が多くなり,山並みがぽつぽつと現れてきた.サバンナをたまに竜巻が吹き上げる.ここは南半球なので,竜巻は左周りに回る.雲が切れて,日が出てきた.日差しが強い.バスの窓は立て付けが悪くて,バスの振動でだんだんとあいてきてしまう.そのたびにほこりっぽい空気がバスの中に入ってくる.途中アルーシャ Arusha でバスを乗り換えると,バスの客は2人だけになってしまった.キリマンジャロに登るには,モシ Moshi という街まで行かないといけないのだが,余り観光客はいないようだ.

BUS : NAIROBI 8:00-ARUSHA 12:00 13:00-MOSHI 14:00


蚊帳の中で寝る.

YMCA, Moshi, Yuichiro Nakamura, 2001

このあたりは,一応マラリア汚染地域といわれている.ホテルには蚊張りがあった.今は気温が下がっているので問題はない.マラリアを媒介するハマダラ蚊は気温がある程度以上ないといけないといわれる.一方で,汚染地域から蚊が飛行機に乗って他の空港で発症する「空港マラリヤ」といわれる例もある.マラリヤには予防薬はあるが,完全ではない.感染地域ごとに薬を変える必要がある.詳しくは「海外感染情報」などを参照してください.

さて,モシははしからはしまで歩いていけるような小さい街だ.キリマンジャロに登るためには,ガイドを雇わないといけない.そのためにいくつか旅行会社にいって,全部込み6日間でUS$550のところで決めた.旅行者2人,ガイド1人,ポーター4人,食事,国立公園入場料,ハットの宿泊料,モシに帰ってきた日のホテル代込みの値段旅行者1人分だ.つまり旅行者1人のパーティー全体でUS$1100.これに最後のチップがUS$130ぐらい加えられる.チップはガイドにUS$50,ポーターにUS$20ぐらいかな.旅行者のためにポーターは荷物を一生懸命荷揚げしてくれる.一人あたり15kgまでしか持たないといわれるが,通常の旅行者の荷物量なら重さが問題になることはないと思われる.


Kilimanjaro N.P.

 

標準 5日.筆者は高度順化のため6日の

行程で5,895mの頂上を目指す.

 


朝日を受けるキリマンジャロの峰

Mt. Kilimanjaro, View from YMCA, Yuichiro Nakamura, 2001

2002/09/25 Tue. 晴 登山1日目

昨日21:00に寝てしまったためか,夜中に何度も目を覚ます.朝5時にギブアップして置きだすと,星明りにうっすらとキリマンジャロが見える.雲ひとつない空に稜線がきれいだ.6時にかけてだんだんと山のいただきが明るくなり,朝日が照らす.とてもすばらしい風景だ.宿泊した YMCA からは窓から正面にキリマンジャロ山が見える.朝食はコーヒー,パン,卵,ソーセージだけのシンプルな食事だ.それにしても食堂のおばさんは,モノのないこの国にあって,いったいどうやってそこまで,と思えるほど肥えている.

キリマンジャロ国立公園,87/12/11,自然遺産

登山1日目 Marangu Gate 1,970m―[時間 2h40m↑高度差741m]→Mandara Huts 2,729m


ゲート.ポーターは 15kg までの重さしか持たない.

Marangu Gate 1,970m, Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

荷物はポーターに持ってもらうので,あらかじめ2つに分けておく.それにしても,こんな感じでポーターに荷物を持ってもらうのは,なんとなく邪道な感じがして気が引ける.迎えの車が9:00にくる予定だが,いつまでまってもやってこない.30分ぐらい遅れるのはよくあることだ.いままでこういう待ち合わせで,車が来なかったことは一回もないが,いくらなんでも遅い.1時間もたってやっとガイドが車から現れた.

モシから,マラング・ゲート Marangu Gate へ車で向かう.ゲートには割と車がたくさんいて,旅行者と,その3倍以上のポーターたちがいる.みなやたらとたくさんの荷物がある.昔田部井淳子さんの講演を聞いたときは,「1gを軽くするために,トイレットペーパーの芯を抜いた」といっていたが,そんなストイックな登山からは程遠い雰囲気.そこにすかさず帽子とかスティックとかをレンタルさせようとする人が声をかけてくる.売店で,「I climbed it!」と書かれたT-Shirts(US$13)を売っていたので,まだ登りだしてもいないのに買ってしまった.周りの外国人たちに見せびらかすと,結構受けが良かった.ゲートで記帳して,ランチをぱくついてから出発.このゲートは,US$しか受け付けない.貴重な外貨獲得の手段なのだ.

ずっと森の中をひたすら登っていく.広葉樹が多い.小川があって,水がちょろちょろ流れていた.3時間ほどで難なく Mandara Huts に到着.写真をとるまもなく,記帳して場所取りをする.混んでいる時期の場所取りは重要だ.すかさずビール(US$2)があるのを確認.

Mandara Huts から Maundi Crater まで散歩に行く.15分ぐらいの道のりだ.ここからはアフリカのサバンナが良く見える.このあたりから植生が変わって「ボリタニカ・キリマンジャリカ」という花があった.名の通り,シンプルだが,この地を象徴するような力強い花だ.


やたら冷たいシャワー

Shower, Mandara Huts 2,729m, Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

ポーターは先についていて,食事を作ったりコーヒーを入れてくれたりしてくれ,すばらしい.Beerを飲んでいたら,食事が出てきて幸せだ.ガイドはつかず離れずでなかなか気を回してくれる.食事もゴーカで幸せ.ここには,水洗トイレ,シャワー(やたら冷たい水が出る)がある.気温15度,半月で星がきれいだ.20:00過ぎにはすることもなく,床につく.


Mandara Huts の朝.

Mandara Huts 2,729m, Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

2002/09/26 Wed. 晴のち曇 登山2日目

やはり夜何度も目を覚ます.みなもぞもぞしているので,同じようだ.6:00まで粘ってから,寝袋をでる.ここのシャワーを意を決して浴びる.ここの先,もうシャワーはない.「シャワーを浴びる」と同行している先輩に宣言したら,信じられないというか,見放されたような顔をされてしまった.気温は13度.もちろん水はもっと冷たい.短パン,T-Shirts姿で小屋を出て,1分ですべてを済ませてもどる.1分以上はとてもでないけど無理だ.

雲ひとつない気持ちのいい朝だ.ここは午前中は天気がよい.7:30に朝食の準備ができたと呼びに来た.朝食は,パン,パパイヤ,スパニッシュエッグ,トマト,きゅうり.とても豪華.こんな荷物はポーターが持ってくれて,ゴーカな食事が出てきてキャビンにはマットレスと枕まであるのが驚き.大名登山.今回われわれは US$550/6日(通常は5日)で申し込んだが,(YMCAで$610,ZARA TANZANIA ADVENTURE で$680といわれた),他のパーティと比較して遜色ない.あと違いといえば,食器が陶器だとか,テーブルクロスがある,とかいう違いだ.

登山2日目 Mandara Huts 2,729m―[時間5hrs↑高度差991m]→Horombo Huts 3,720m

8:00に朝食を終え,8:30にはパッキングをして各パーティのポーターがいっせいに出発し始める.基本的にポーターは登山客より先についていればよいので,みな一緒には出発せず,かなり速いペースで登っていく.彼らは大小2つのバックを運ぶにしても,小を背負って,大を頭の上にのせる.基本は頭の上なのだ.機能的でない気がするし,首が痛くなりそうだが,彼らはそのほうがいいらしい.しかも道は平坦ではないので彼らのバランス感覚は相当なものだ.しかも,丸いガスボンベを横にして頭に載せたりしているのがすごい.


Mandara - Horombo の道.

Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

8:45にはMandara Hut を後にする.今日は約5時間の道のり.991mの高度差だ.30分ほど坂を登ると,ジャングルが切れた.ジャングルはここまで.植生が完全に変わって低木しか見当たらなくなった.高山植物は割とたくさん咲いていていろどりは美しい.3,000mを超えたがまだ青々とした緑が広がっている.この植物は Horombo Hut(3720m)までずっと続いていた.ここの道はずっと整備されていて,道の左右に溝がきちんと作られている.この溝がきちんとあるのは山道では重要で,登山道の整備というものが良くわかっている証拠だ.雨が降ったときに道が崩れるのを防ぐ.急と言うほど急でない道のりがずっと続き,ガイドと話しながら気楽に登っていった.しばらくして最後の登頂ポイントである Kibo峰が見えるポイントまでやってきたが,雲がかかっていて見えない.日差しが強いので日焼け止めを塗ったが,登るにつれ雲の下に来て,気温も15度ぐらいで快適な山登りだ.しばらくアップダウンを繰り返し,2h45mでトイレのある眺めの良いところで昼食を取り,30分ぐらい休んで1h45mで Horombo Hut(3,720m)が見えた.また受付をして小屋に落ち着いた.ここのBeerはUS$3だ.


Horombo Huts の中.

Horombo Huts 3,720m, Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

それほど汗をかかなかったが,高度があるせいか,少し急な動作をすると息が切れる.体と頭が「サンソクレー」と言う感じで訴えかけてくる.

ここ Horombo Hut は登る人と降りる人がともに泊まる.この上の Kibo Hut と,下の Mandara Hut 登りのときしか使わない.そのため,この Horombo Hut は非常に混みあう.食事は食堂用の大きな小屋でとる.寝るための小屋での食事はしてはいけないことになっているとのこと.この食堂での席取りが激しいのだ.下ってきた人も登ってきた人も,たいてい疲れきっていて他に気を回す余裕はない.とくにすることもなく,食堂でビールを飲んでいると食事が出てきた.ポタージュ,パンケーキ,ライス,インゲン,牛肉と野菜のトマト煮,スイカ.あったかいスープとシチューがうまい.場所取りが激しいので,端っこのほうで食べた.ここはだいたい富士山と同じくらいの高さだが,ビールで酔っ払ったのか,高山病が出たのか,よくわからない.夕日の時間になって,雲が切れて眼下に雲海が広がるようになった.まだ7時だが,特にやることもなくなったので,小屋に戻って寝袋に入る.

夜,意を決してトイレのために外に出る.星が死ぬほどきれいで,一つ一つの星が力強く光る.雲海もなくなっていて,町の光が弱く見えた.


Horombo Huts からキボ峰を望む.

Horombo Huts 3,720m, Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

2002/09/27 Thu. 晴のち曇 登山3日目

朝また晴れていた.眼下にまた雲海ができていた.気持ちの良い朝だが,少し頭が重い.あと2,200mだが果たして.朝食はアボガド,パン,チーズ,オムレツ.アボガドはまるでメロンを出すような形で出てきたが,特にアボガドは味がないのでつらい.少し塩をふると何とか食べられる.

今日は高度順化をこの小屋で行う.高度順化といっても,特になんかすることがあるわけではなく,滞在することに意味がある.あとは,より高いところに一旦行って,また降りてくる,ということを行う.地上でも減圧室に入る,という方法で高度順化を行うことができるが,最近は「低酸素法」といわれる方法を使うらしい.これは文字通り,酸素の薄い部屋に入って一晩寝たりする方法だ.「減圧」は密閉度の高い機密性の高い装置を用意しないといけないのに対し,「低酸素」は空気中の酸素の割合を変えるだけなので,簡単な設備で行うことができる.

雲がかなり出ているので,眺めはいまいち.本当に高度を稼ぐだけのためにすこし登り,ちょっと休んで帰ってくるだけ.本当にこんなので効果があるのかは良くわからない.まだ頭は少し痛い.戻って昼食にする.6日間の行程を選択しているのは10人以下のようだ.席取りもないので,のんびりと昼食を取る.あげパン,バナナフリッター,フレンチフライ,トマト,きゅうり,サラダ.何か揚げ物ばかりだ.

登山3日目 Horombo Huts 3,720m―[時間1h10m↑高度差280m]→Zebra Rock 3,980m


洗濯物を乾かす.

Horombo Huts 3,720m, Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

本当にすることがないので,少し昼寝してT-Shirtsを洗う.小屋は4人部屋で,三角屋根の小屋を半分に区切って両側に入り口をつけ,4人/4人で使う.昼寝をしたら,頭痛がおさまった.高度順化に成功したのかな.


なぞのパスタ.

Horombo Huts 3,720m, Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

夕食時間はまた混雑する.無理やり入れてもらって食事をとる.モロヘイヤパスタ,スープ,グリンピースいため,オレンジ.最近肉が出てこない気がする.意図的にカロリーコントロールされているならすごいのだが,単に安いからなんだろう.

また夜の星がきれいだ.だんだん月が満月に近づいている.20:00にはまた寝てしまう.


太陽電池.夜にはライトもつく.

Horombo Huts 3,720m, Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

2002/09/28 Fri. 曇 登山4日目

朝 4:45に起き出して星を見に行く.出た瞬間わおーと叫びたくなるきれいさ.月は充分しずんでいるので,全方向すさまじい数の星が見える.北海道に旅行に行ったとき,地元のオヤジが「人工衛星の太陽電池パネルまで見える」とうそぶいていたが,そんなものではない.星は空気が薄いせいか全くまたたかず,まぶしいぐらいだ.気温は0度以下なのでこごえながら空を見る.流れ星がいくつも流れた.

朝食はパン,オムレツ,トマト,きゅうり,マンゴー,スイカ.さわやかに Horombo Hut をあとにし,Kibo Hut に向かう.道中はずっと曇っていて,ただひたすらに足を進める.1時間ほどして急坂を抜けると,湿原地帯に出た.Ever Lasting Flower が光にあたって銀色に輝いている.

登山4日目 Horombo Huts 3,720m―[時間4h55m↑高度差987m]→Kibo Hut 4,703m


ここが最後の水場.

Last Water Point , Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

なだらかな道を少しずつ高度を上げていくと,やがて Maua Riverをこえ,Last Water Point をこえる.ここから先は水はないので,必要な分は自分で運んでいかないといけない.地面が砂漠に変化する.


最悪の昼食.ジャムとにんじんサンド.

Lunch, Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

2h40m でSaddle と書かれたトイレのあるとことで昼食にする.パッションフルーツ,バナナ,オレンジ,ここまではいいのだが,にんじんとジャムの挟まったサンドイッチ.地上で食べるのもつらそうなまずいまずいサンドイッチだ.


高山病で倒れた人が搬送される.

結構何人も運ばれてくる.

ここは標高 4,000mを超えている.

Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

このあたりはかなり開けていて,雲がなければKibo峰が良く見えるだろう.しばらくすると,Kibo Hut から一人が運ばれてきた.高山病だ.道の途中には,高山病の人を運ぶための車輪のついたタンカが置かれていて,いつでも運べるようになっている.重い高山病で動けなくなる人が出ると,タンカに乗せられて高度の低いところに運ばれる.これが一番の治療法だ.


キボ峰.真ん中のうっすら白い筋が頂上に向かう道.

Kilimanjaro N.P., Yuichiro Nakamura, 2001

ひたすら歩くと,Kibo Hut(4,703m)の白い屋根が見えた.このあたりから急坂を1h30m ほど登ってついた.この Kibo Hut も Beer は US$3.小屋は大きいのが1つあるだけで,それが12人ずつの2段ベッドの部屋に分かれている.お茶を飲む.頭が痛く,だるい.

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